日本、行き詰まりの真因 

今日の政治家を初め指導者を見ると、難局に臨んでも、自己の保身に汲々たるばかりである。 

敗戦直後の創業の時代を成功裡に経て二代目、三代目となると、為政者も指導者も平和の爛熟呆けして覇気や気概を喪失し機械化してしまってきていた。 

機械的活動をしていて済んだ間はそれでよかったが、日本が思いもかけなかった世界的難局に当らねばならぬという事態に直面すると、滅私奉公の精神に燃えて、相克(そうこく)摩擦(まさつ)を廃し、(おのれ)を空しうし、己を(なげう)って事に当るという人物や道義でなければ国家は進まない。

危局は打開しない。 

口先だけや、知識学歴だけでトップになった、人間的鍛錬の欠けた、小利口で器用な、小知恵の回る、つまり私生活ばかりを考えておるような政治家やトップが今日多く見られる。 

私生活のために事業や国を食い物にしても、とんと()づかしがらないような人間ばかりが政治家とか指導者として跋扈している。 

この事が、今日の日本の、あらゆる面での行き詰まりを齎しているのであります。

     徳永日本学研究所 代表 徳永圀典