マルクス・アウレリウス ローマ皇帝

・腹を立てて自分の非礼を加えた人には和解的態度をとり寛大に、注意深くものを読む、ざっと全体を概観するだけで満足せぬこと、冗舌家にも簡単に同意せぬこと。・独立心を持つことに絶対僥倖を頼まぬ、たとえ一瞬でも理性以外の何物にも頼らぬ、酷い苦しみの中でも、常に同じである、人に説明する時は短気でないこと、哲学的原理を人に伝えることに堪能に、恩恵を受けても卑下もせず、冷然と無視もせずいかに受けるかを学んだ。セクストからは、親切、自然に従い生きる、てらいのない威厳、友人へのこまやかな思いやり、無知や道理をわきまえぬ者に対する忍耐。亦、人生に必要な信条を見出す、また怒りや激情の兆候をゆめにも色にもあらわさず、この上もなくものに動じない人間であると共に、この上なく愛情にみちた人間、仰々しくなく賞賛すること、多くの知識をもちながらひけらかさないこと。文法学者からは、口やかましくせぬこと、粗野な言葉づかいや間違ったことや、気にさわるような表現を用いる人に対してとがめだてするように非難せず、他人に口添えするような、言葉づかいでなく問題自体を一緒に論議するという形で、つつましやかな注意によりうまく話題にすること。