日本人の感性 鳥取木鶏会6月例会レジメ 徳永圀典

皇后陛下の御歌、つつましく、気高く、真心が強くこもっていて、心を打たれます。将に国母(こくも)様です。皇后さまは万葉以来の歴史的名歌人であります。僅か三十一文字の言葉の中に、これほど心を込めることができる和歌という日本伝統のすばらしさ、そしてその和歌に、こんなにもつつましく真心を映しだされることのできる皇后陛下、日本人として、限りない誇りを感ぜずにはおられないのであります。

皇后陛下の御歌集「瀬音」からご紹介しましよう。
(さき)くませ(まさ)()くませと人びとの声渡りゆく御幸(みゆき)の町に」

被曝五十年広島の地に静かにも雨降り注ぐ雨の香のして

慰霊地は今安らかに水をたたふ如何ばかり君ら水を()りけむ

海陸(うみりく)のいづへを知らず姿なきあまたの御霊(みたま)(まも)るらむ

 

み車の運び静けし(あま)()らすみいのちにして還り給ひぬ
子に告げぬ哀しみもあらむ(ははそ)()の母(すが)やかに老い給ひけり

ふり仰ぐかの大空のあさみどりかかる心と思し召しけむ

岬みな海照らさむと(とも)るとき弓なして(あか)るこの国ならむ 

“外国国歌の歌詞

1ソ連の国歌
「鍛えられし わがつわもの 攻めくる敵 討ち破り 断乎と守る 尊き国わが祖国に栄あれ。栄光の民よ 自由の祖国 結ばれしその誉れ 旗のかげで 導けよ勝利の為 進めよや」

2.. 中華人民共和国
「立て、奴隷となるな、血と肉もて、築かんよき国。立て!立て!立て!心あわせ、敵にあたらん、進め、敵にあたらん。進め、進め、進めよや」

3.. フランス
「ゆけ祖国の国民 時こそ至れり正義のわれらに。旗はひるがえる 旗はひるがえる 聞かずや野に山に 敵の呼ぶを悪魔の如く 敵は血に飢えたり。立て国民 いざ(ほこ)とれ 進め進め(あだ)なす敵を葬らん」

4.. 英国
「おお神よ 我らが神よ 敵をけ散らし降伏させ給え 悪らつな政策と奸計を破らせ給え 神こそ我らが望み 国民を守らせ給え」

5.. アメリカ
「おお激戦の後に 暁の光に照らし出された星条旗が見えるか 夜どおし砲弾が飛びかった後に、われらの星条旗が翻っている。自由な祖国、勇敢な家庭 星条旗をふれ 星条旗をふれ 戦闘がやんで微風が吹く中に 濃い朝霧の中 見え隠れしているものは何か これこそわれらが星条旗 神よ!星条旗をふり続け給え 自由の祖国勇敢な家庭の上に」

6 日本
「君が代は 千代に八千代にさざれ石のいはほとなりて、苔のむすまで」。
日本以外は、みな血なま臭く勇ましい軍歌調だと痛感されるでしょう。血とか肉とか敵と戦えとか、血に飢えた敵とか、実に品位も無く戦闘的なものばかりの烈しいものです。こういう国家の方針の下にこれらの国民は国家に忠誠を捧げており、戦闘を薦められている。これでは戦争が絶えませんね。
日本の国歌の歌詞の、なんと平和でおおらかで悠久で格調が高く素晴らしいか、歴然と違うではありませんか。オマケに、君が代の歌曲は実は明治時代、ドイツで世界の国歌の評価判定会があった時に、君が代はその第一の秀歌に選定されました。明治になり日本古来の雅楽の旋律を取り入れて現在の曲としたものです。
この歌詞は、今から約
1000年前、醍醐天皇が紀貫之に命じて編集させた日本最古の歌集「古今和歌集」巻第七、賀歌の部の第343番、読み人知らず、として掲載されてあります。

「我が君は、千世にやちよに、さざれいしの いはほとなりて、こけのむすまで」がルーツです。長寿を祈り願う祝い歌として人々に広く愛唱されていったもののようです。

上から強制して歌われたものではない。しかも、無名の民の歌です。わが君とはあなたの事で敬愛を込めた言葉です。君は広く対者を言います。

万葉時代、そして現在も、皇居では毎年歌会はじめがあり、老若男女、地位名誉に無関係に歌を募集し、入選者は皇室に呼ばれる歌会がありますね、こんな庶民的な皇室は世界にありますまい。

こんな素晴らしい日本の国歌は世界に誇りうるもので先祖の英知に感謝しなくてはいけません。君が代を軍国主義などという人間はどうかしています。外国国歌の歌詞を知らない無知極まりない愚かな人達だといえます。誇りを以って堂々と声高らかに歌っていい日本の国歌であります。

日本人の欧米かぶれはもう完全に卒業しなくてはいけません。