唯物主義と経済主義は同根 

この時代の人々は一体どういう思想教養で育ってて来たかと申しますと、一般的にまず著しいものは、いわゆる「資本主義的及び社会主義的教養」、この二者は理論的に言えば、むしろ対照的といいますか、全然正反対なものと常識的に解釈されるのでありますが、ここに不思議なことは、両方を通じて唯物主義、あるいは経済至上主義ともいうべき点に於いて全く共通であります。 

これは洵に妙な現象でありまして、いわゆる資本主義としいう言葉を以て代表せられる思想を持つ者は、人生に於いて、世に処する上において、経済というものを非常に重んずる。 

もっと徹底して言うならば、金融的成功、金を儲けるということを最も重んずる。 

         安岡正篤先生の言葉