複雑怪奇な中国人  安岡正篤先生の言葉

中国という国は、この頃は皆さんも

否応無くご承知でありましょうが、

革命後、今日に至って なおかつ安定しない。

安定しないどころか益々洗脳や粛清が深刻に

なって、憲法の草案にまで毛沢東の後継者として

明記されていた林彪を始め、劉少奇ら有力者は次から次へと姿を消しています。

今やポスト毛沢東を狙って深刻な謀略・闘争が演じられているのであります。

そこでもソ連はそれを見越して、ポスト毛後に

親ソ政権を作ろうと秘術を尽くして懸命の工作をやっておるわけです。

況や、台湾の国民党政府においておやであります。

特にソ連は中国工作と同時に台湾工作もやっておりまして、場合によってソ連と台湾との

合作もあり得るという見方もなされております。

 

日本人は単純

複雑怪奇な中国人 日本人のような単純なものから

見れば複雑怪奇としか言うより外ありませんが、

然し、これが中国人の実体でありまして、

その意味で今マスコミを通じて騒いでおる

政治家事業家などは、ともすれば他愛無いものであります。

殊に我々のように長く中国を研究してきたものから言えば、ソ連、台湾よりも何よりも、

今は日本が新中国対策に大いに手腕を振るうというか肝胆を砕くぐらいのことはあって当然だと 思うのです。

恐らく明治の日本人であったら必ずやるでしょう。

中国の鼻息を伺っているようでは軽蔑と顰蹙を買うばかり

頭山満とか犬養毅とか陸奥宗光とか後藤象二郎とか、或は陸海軍の将軍達の中にも居った様な人々が

 

今の日本の内外に多く居れば、さぞかし日中関係も

活気を呈したことでしょう。

それが全く逆でありまして、どなられたり

撫でられたり、徒らに向こうの鼻息を

伺っているようでは世界の国々から

軽蔑と顰蹙を買うばかりであります。

何によってこういう事になつたかと申しますと、

一に無知からきているのであります。