1. 多忙な時こそ沈着に
「沈静は緘黙の謂に非らざるなり。意は淵涵にして態は間正なる。これを真の沈静と謂う」
落ち着いて、静かであることは、ただ黙っていることではない。意の中が深く、色々なものを含んで静かに澄み、落ち着いて物事を包容し、態度も静かで正しい、これが真の「沈静」であると言われた。
このような沈静の心と態度を持っておれば、どんなに多忙でも、どんな難事に出会っても決してうろたえる事なく沈静な判断を以て事に当たることが出来る。
この沈静さを常日頃から養生しておけば一喜一憂も深い味わいと含蓄あるものになると安岡先生は言われた。