魂を揺すぶられる主張 

国家基本問題研究所 理事長 桜井よし子氏 挨拶文 

国基研だよりの冒頭 

日本ははたして国家なのか

日本人は真の日本人なのか

そんな問いが折に触れ、突き上げるように、湧いてきます。

国際社会はいま、歴史的と言うべき潮流の大変化に直面し、

どの国も力の限りを尽くして、変化の方向を見定めようとしていいます。 

だからこそ、政治、経済、外交、軍事などの、一連の変動に対応するには、普遍的価値観を踏まえ、世界情勢を俯瞰したうえでの大戦略が必要です。

また変わり行く情勢の下で国益をかけて道を切り拓いていくには、

自らの文明への根源的な自信が土台になければなりません。 

現在の日本には、そうした大戦略や文明が不在です。

しかし、日本人の叡智が光った歴史を学べば、

私たちが一体何者であったのか、ひとりひとりがどのように一生を全うし、社会を作り、どのような国家を築いてきたのかが見えてきます。 

鎖国のときも、開国のときも、平和のときも、ひとたび危機が到来するや全力を賭して解決に努めてきた日本人の歩みは、

現代の私たちに多くの教訓を与えてくれます。 

誠実な国民であった先人の言動は、魂に訴えてきます。 

日々の生業に心を砕く庶民を含め、真の国民とは、自らの損得を離れて公に想いを致しも国家について考えることの出来る人々です。 

世界情勢が激しく変わり行くいま、私たち国家基本問題研究所は、

日本文明の叡智を現在に活かし、

日本の大戦略を提言し、内外に発信していきます。 

また、ひとりひとりの日本人が、日々の幸せを楽しむ庶民であることを大切にしながらも、

常に國際社会の中の日本の立場に目を開いていけるように、幅広い視点を提示していきます。 

目的はただひとつ、より良い国、日本を築き、国際社会に貢献していくことです。 

皆様とともに力を尽くしたいと思います。            

国家基本問題研究書「趣意書」 

私たちは現在の日本に言い知れぬ危機感を抱いております。

緊張感と不安定の度を増す國際情勢とは裏腹に、戦後体制から脱却しようという志は揺らぎ、国民の関心は専ら当面の問題に偏っているように見受けられます。 

平成19年夏の参議院選挙では、憲法改正等、国民の基本的な問題が置き去りにされ、その結果は国家としての重大な欠陥を露呈するものとなりました。 

日本国憲法に象徴される戦後体制はもはや国際社会の変化に対応できず、ようやく憲法改正問題が日程に上ってきました。

しかし、敗戦後遺症はあまりに深刻で、その克服には、今なお、時間がかかると思われます。 

「歴史認識」問題は近隣諸国だけでなく、同盟国の米国との間にも存在します。

教育は、学力低下や徳育の喪失もさねことながら、その根底となるべき国家意識の欠如こそ重大な問題であります。 

国防を担う自衛隊は「普通の民主主義国」の軍隊と程遠いのが現状です。 

「普通の民主主義国」としての条件を欠落させたまま我が国が現在

に至っている原因は、政治家が見識を欠き、官僚機構が常に問題解決を先送りする陋習を変えず、その場凌ぎに終始してきたことにあります。

加えて国民の意識にも問題があったものと考えられます。 

私たちは、連綿と続く日本文明を誇りとし、かつ、広い国際的視野に立って、日本の在り方を再考しようとするものです。 

同時に、國際情勢の大変化に対応するため、社会の各分野で機能不全な陥りつつある日本を再生していきたいと思います。 

そこで国家が直面する基本問題を見詰め直そうとの見地から、国家基本問題研究所(国基研・JINF)を設立いたしました。 

私たちは、あらゆる点で自由な純民間の研究所として、独立自尊の国家の構築に一役買いたいと念じております。 

私たちは、また、21世紀の國際社会に大きく貢献したいという気概をもつものであります。 

この趣旨に御賛同いただき、御理解をいただければ幸いに存じます。

御協力を賜りますようにお願い申しあげます。