時宗「人間が卑怯・懦弱(だじゃく)を脱するには、どうしたらよいか」
祖元「卑怯・懦弱がやって来る源を押さえたらよい」

時宗「その源はどこにあるか」

祖元「汝、時宗から来る。

明日からでも、時宗を捨てたら汝の胆力は天地の如く大きくなるであろう」

時宗と祖元

時宗「時宗を捨てよといわれるが、それにはどのようにしたらよいのか」

祖元「すべての思いわずらいの煩悩を断て」

時宗「その方法はいかに」この時、祖元は時宗に座禅をすすめる。

しかし、時宗は国難控えて多忙で、とても座禅の時間がないと弁解する。

祖元「座禅堂で型の如く座禅するのが座禅ではない。

いつどこでも自己の身体(からだ)(くち)(こころ)を整頓するのが座禅である」  岫雲斎