3.  感情と人物の資質

「怨むべく、怒るべく、弁ずべく、訴うべく、喜ぶべく、(おどろ)くべきの際に当り、その気(はなは)だ平らかなるは、これ多大の涵養」

喜怒哀楽を表に出さないことが立派な人物だとされる。怨んだり、怒ったり、弁明したり、反論したり、喜んだり、驚いたりする時に、感情が穏やかであると言うのは、それは心を修養し養生した成果である。感情を現す時、感情を思うままに表現するが、その心の奥では感情に囚われていないと言うことである。それは日ごろの沈静の修養をから来ているものである。日々、心を修養し、養生することが大切である。