藤樹は、「敬の心」が最も大切だとした、それは、人間や国を滅ぼす「四患」を憂えたのである。四患とは、

1.   偽 自分を偽ること。

2.   私 私利私欲に走ること。

3.   放 欲望のままに放埓になること。

4.   奢 贅沢ばかりを考えること。

「省みて自ら懼れ、自ら慎み、自ら戒めてゆく、偉大なるもの、尊きもの、高きものを仰ぎ、これに感じ、憧憬れ、それに近づこうとすると同時に、自ら省みて恥ずる」と安岡先生は説かれた。

敬の心を以て人間性を高めてゆくことが肝腎であるとした。