書斎の風景「紺珠」 徳永圀典
入行の年、手でなでると記憶が蘇えると言う唐の故事は紺色の珠に因み紺珠と名づけた読書録を始めた。その中から日々の栞を作り通勤電車の動く書斎で噛み締め艱難を乗り越えた思いがある。手垢で黄ばみ薄汚れたが我が精神の軌跡。今なお身につかずお恥ずかしいが抜粋し青年時代の思惟を懐かしむ。
一、 良書を読むには悪書を読まぬことが条件、人生は短く時と力は限られている。ショウペンハウエル
一、迷うことはない。成否は別だ。この偉大な山に対して人間の示し得ることは、ただその強い意志より他にない。 チョゴリザ登頂 加藤副隊長
一、人間の真実の正しさは礼節と同様、小事における行に表われる。小事における正しさは道徳の根底から生ずるのである。 ヒルティ
一、間違いなく、いつもよき思想を以て毎朝を始めよ。唯、思い煩いと、ため息を以てせずに。ヒルティ
一、謙遜が足りないのは分別が足りないのだ。押しの強い高飛車な言い方をしないよう思慮に富む善意の人々に望む。 フランクリン
一、成長を欲するものは、まず根を確かにおろさなくてはならぬ。上にのびる事をのみ欲するな、まず下に食い入ることに努めよ。 和辻哲郎
一、生活を満たして生活に一つの意義を与えるような熱情や苦悩が必要である。 ジャン・クリストフ ロマンロラン
一、人の先頭に立つ為には実力がなければならない。実力と言うものは一朝一夕につくものではない。それは努力の集積である。こつこつと積み上げられるものである。実力をつける為には血のにじむような人一倍の努力がいる。 堀田庄三
一、怒るべからず、恐れるべからず、焦るべからず、誠意を尽くして信頼をうける。簡単なことだが結論はこれに尽きます。 太田垣士郎
一、勉強、勉強、勉強、勉強のみよく奇跡を生む。
武者小路実篤
一、生き、苦しみ、戦うことだ。苦しみと戦いと、男々しく堪えていく事によってのみ一個の人間になれる。ジャン・クリストフ ロマンロラン
一、個人的善に最も必要なる徳は強盛なる意志である。意志の薄弱と虚栄心とは最も嫌うべき悪である。
一、直観なき概念は空虚、概念なき直観は盲目。
一、礼儀は、その人の姿を映す鏡だ。 ゲーテ
一、安楽と無為の満足に甘んじさせずに、苦労や労働に打ち勝つ手段に知恵をしぼらせようとして、苦労や労働の中に人間を放り込む。 カント
一、真理を知るというのは大なる自己に従うのである、大なる自己の実現である。知識の深遠となるに従い自己の活動が大きくなる。 西田幾多郎
一、絶えざる思索。Stets Denken。
田辺元
一、私はローマ皇帝になっても正直の徳を守り簡素な生活をし、日々瞑想し国民の事を考えた。個人の財宝も競売し戦いに備えた。指導者は廉潔の心と正義を基にした克己の精神です。その上に博愛、社会連帯感情を抱き真摯率先してやれば難関は突破できる。アウレリウス
一、一度失った信用は二度と帰ってこない。プブリウス
一、腹に思うても口にはださぬこと、突飛な考えは実行に移さぬこと。つきあいは親しんで狎れず、それがなにより。どんな人の話も聴いてやれ。だがおのれのことをむやみに話すじゃない。他人の意見には耳を貸し自分の判断はさしひかえること。 ハムレット
一、約束を守る最上の方法は決して約束しないことである。 ナポレオン
一、いかなる時でもお辞儀はし足りないよりもし過ぎるほうがよい。 トルストイ
一、考えにプロポーションがとれていると言う事は要するに多面性を見せている社会の現実をあまり理屈でひねくらず、経験的に素直に見てゆく、色々の現象をその重みに従って秤量するという事であろう。
笠信太郎
一、The most important thing to learn in life is how to
live。Different people have different ways of reading、but those who pursue a systematic method of
reading attain the best result。
(the use of life)
一、心のもちようはカラリと晴れて隠しだてなどせぬがよい。自分の腕前はソットしまってひけらかしたりせぬがよい。 菜根譚
一、人格は神聖な最高価値、畏敬の念を持て。小事に囚われず大局を達観せよ。 (学生に告ぐ 河合栄次郎)
一、常に平静を保ち、快活を失わず、人をそしったり皮肉ったりする悪い癖を慎むように。フランクリン
一、清廉さは誠実で良心的である事である。清廉で重厚な深みのある人間である事は銀行人の根本的要件である。 住友銀行行務研究会
一、よく考えるように努めよう。これこそ
道徳(倫理)の原則である。わが内なる道徳律である。カント
一、愛は寛容にして慈悲あり。愛はねたまず、愛は誇らず、たかぶらず、非礼を行なわず、おのれの利を求めず憤らず、人の悪を思わず、不義をよろこばずして、誠の喜ぶところを喜び、凡そこと忍び、凡そこと信じ、おおよそこと望み、おおよそこと耐ふることなり。
コリント前書
一、信用を重んずる。言葉を慎む。独立心を起こす。規律を尚ぶ。礼譲を重んずる。時間を貴ぶ。忍耐力を養う。自尊の風を養う。筆跡を慎む。
本文の一例
鳥取木鶏会創立30周年記念撮影。於鳥取駅前 県民ふれあい会館
平成28年1月4日 前列中央が徳永 欠席4名