幕末祖先の危惧を想う

 

幕末・明治の日本が国防を危惧し明治維新を断行、150年後の今日、再び国家の安保に関わる地政学的危機が形を変えて現実化、日本の未来を危惧する。往時の先祖が最大に恐れたことを別の表現で説明する、中国が自分の国境に米国の影響ある国家ができる事の危惧と同様である、自国の体制に大きく影響するからだ。明治、弱体化した清国領土・満州(現中国東北部)を大国ロシアが侵入し自在化し、南下して半島の軟弱だった李王朝につけ入る、更に対馬にロシア軍艦が無断強行停泊した、我が国への圧力である。日本は武力対抗の実力なく当時の超大国・英国軍艦の対馬寄港によりロシア軍艦を強制排除したことがあった。

日本は「空気と水と安全はタダ」、それは中国大陸と900キロ、朝鮮半島200キロの玄界灘を介して大陸の政変と無関係に2千年間平穏に過ごせたからだ。その後、日清戦争、日露戦争で勝利したが遂に先の大戦で敗れた。以後70年米国の傘に依拠した日本の平和である。だが、アメリカも力が失せつつあり中国は途方もない軍事大国化、また北朝鮮は核保有、韓国新政権は北朝鮮シンパ。北朝鮮と韓国は元同一民族国家、核保有の上もし朝鮮半島が統一すれば世界歴史的一大事となり、核保有の朝鮮半島は、かっての宗主国・中国や世界最強国・米国と対抗する位置になり得る。そうなると日本は自国の安全保障を米国の傘下と雖も、国民の安全保障に歴史的、画期的重大脅威が増幅する。自国の運命は自国で握るという過去70年忘れ去っていたごく当然の事が否応なく最大級の迫真の威力で迫っている。世界は大きな歴史的変化へと策動含みである。先ず平和ボケ国会議員、目覚めよ!

          平成29年6月20日 徳永日本学研究所 代表 徳永圀典