同学十則    安岡正篤先生 

一、        道を学び、神を(うやま)ひ、(けん)(した)ひ、恥を知るべし。

二、        (もろもろ)の恩を(おも)ひ、機会あるごとに報謝(ほうしゃ)を志すべし。

三、        生業(なりわい)を楽み、好んで陰徳を積むべし。

四、        天を怨みず、人を(とが)めず、常に自らを(かえり)みて奮発(ふんぱつ)すべし。

五、        小人(しょうじん)名利(みょうり)を競はず、淡泊(たんぱく)身を()し、素行(そこう)自得(じとく)すべし。

六、        (みだり)門戸(もんこ)を張り異見を(もてあそ)ぶ如きことをなさず。

七、        (つと)めて他の(ちょう)()り、人の美を()すべし。

八、        礼節ありて拘泥(こうでい)なく、誠実自然にして和言(わげん)愛語(あいご)すべし。

九、        生涯小生(しょうせい)(やす)んぜず、大成(たいせい)を期すべし。

十、        朝聞夕死(ちょうもんゆうし)本懐(ほんかい)とすべし。