低俗雑駁な大衆

やはり、いかに人材(エリート)が奮起するか、或は人材を思い切ってどう政局に立たせるかより外ないことです。処が、困ったことに、現代は益々大衆の時代になって来ております。

大衆はその中に大きな意味も力もあります、然し、スペインの有名なオルテガがその名著「大衆の叛逆」に説いておりますが、大衆は畢竟(ひっきょう)低俗(ていぞく)雑駁(ざっぱく)で、そこから何ら勝れた見識も政策も生まれていません。

 

国家の興隆

世の中が大衆的になればなる程、かえってエリート、人材を指導者に出さねばなりません。このエリートが大衆の尊敬と信頼とに値して、その指導の下に大衆が良く結集し、

行動する時、始めてその民族・国家は興隆するのです。このことはA・トインビー教授も

その「歴史の研究」に解明しております。

       安岡正篤先生の言葉