宮内義彦を糺す

オリックスの宮内義彦は、一連の村上ファンド事件に関し、「コメントする立場にない」と逃げている。だが、政府の「規制改革・民間開放推進会議議長」でもある宮内は、村上と連携し、ファンドのVIP運用待遇をリクルート未公開株のように、政財界に持ちかけていなかったのかを説明する責任がある。実質的スポンサーである。行動を観察していれば明白であり、村上と共同責任がある。不問に付すわけにいならない。 

@宮内はオリックス傘下の休眠法人「クロス・ウェーブ」を村上に斡旋、村上ファンド(M&Aコンサルティング)に仕立て直した。ファンド運営会社MACアセットマネジメントには、村上の資産管理会社オフィスサポート46%に次いで、最近までオリックスが45%出資していた。

A村上ファンド傘下の投資事業組合への出資者募集は、オリックス投資銀行本部が代行した。その一つ「第1回統合アクティビスト投資事業組合」の契約書によるとと業務執行組合員はオリックスの宮内である。事実上の共同体経営である。

Bさらに同組合への22の出資者はいずれも、オリックスを所在地とする別の小さな投資事業組合で、これらもすべて宮内が業務執行組合員だった。出資者一覧表にはオリックスの宮内の名前しか出てこない仕組みにし、本当の出資者が分からないよう、見えにくくしているのだ。 これは陰険な宮内の詐欺に近い手法である。これが宮内の手法の実態。これとて村上と共同作業である。

C契約書には出資金の募集・組成から事後の連絡まですべてオリックス丸抱えの実態が浮かび上がる。このように村上と共同経営の宮内だが、村上に捜査の手が伸びたのを知ったのだろうか、逃げ足早く5月に運営会社への出資を引き上げた。ここが宮内の狡賢い巧妙なやりかたである。


D村上ファンドはオリックス(宮内義彦会長)の出資を受けて99年7月に設立、宮内は強引な村上の手法を支えている、05年12月末時点で3842億円に上る巨額の投資資金。約40億円だったとみられる99年の発足時から、村上ファンドの名が世に響くのにつれて資金量は倍々ゲームで拡大し、遂に4000億円を突破。国内の投資家は企業の厚生年金基金など私的年金137億円をはじめとする5件で計706億円。残りは海外からの投資、その多くは国内の機関投資家が海外ファンドを経由して村上ファンドに投資したもの。その間、一貫して宮内は村上を組織として支援し続けてきている。黙認するわけにはならない。

村上ファンドの迷走が見られだした頃からの宮内の行動を今一度再現すると、こうなる。


@
4月にオリックスが出資金を引き揚げ提携関係を解消することで基本合意するなど、村上ファンドの周辺では不透明な行動を増していた。村上と共犯ではないか。法律違反と知っていた行動である。

A宮内は事前に村上逮捕を知っていて資金を引き上げた。一連托生でやってきて、パシリの村上が捕まりそうだとわかったらとっとと逃げる。共犯を指摘したい。

Bちなみに村上とのインサイダーの証言したのは宮内とライブドア証券の役員とのこと。
黒幕は宮内?、フクエモンと村上引き合わせた交流会 出資、指導ファンド操ったのか。

C福井俊彦日銀総裁(70)が村上ファンドに1000万円を供出し、ボロ儲けしていた問題で、オリックスの宮内義彦(70)の役回りが改めてクローズアップされてきた。宮内は同ファンドの育ての親で、福井氏と村上世彰容疑者(46)を引き合わせたとされる。

Dということとなり、村上・福井問題の黒幕は、やはり宮内だったといえる。

Eオリックス証券は村上ファンドの顧客の募集まで代行しており、「村上ファンドはオリックス別動隊といっても過言ではなかった。宮内には連帯責任がある。  

F宮内と村上の深すぎる関係、そこに、福井氏が絡んでくる。福井は広告塔である。

G福井氏は、宮内が発起人・世話人である「初亥(はつい)会」という財界人交流会のメンバーに名を連ねていた。初亥会とは、昭和で初めての「亥年」である昭和10年生まれが会員資格で、メンバーが50歳を迎えた60年に発足。最近は年に1回、夫人同伴で旅行するなど表向きは懇親組織のようだが、人脈形成ネットワークの意味合いもあり、当時は若手論客による勉強会の色彩もあった。

H「宮内は、通産省時代にM&Aやコーポレートガバナンスを研究していた村上容疑者と意気投合。ファンド設立時には、資本金の45%を出資した上、運用原資まで拠出するなどカネの面倒をみていた。さらに、オリックスグループの休眠会社をファンド母体として提供したほか、宮内側近を役員に送り込み、株式運用の素人だった村上を手取り足取り仕込んだ」

Iリストを見て気付くのは、福井氏が平成10年、ノーパンしゃぶしゃぶ事件で日銀副総裁を辞めた後、社外取締役を務め、株を所有している商船三井やキッコーマンの名があること。生田氏、茂木氏、福井氏らは宮内ともに経済同友会の幹事仲間。つまり村上も福井氏も、宮内を扇の要とする人脈。福井氏と村上を引き合わせたのも、宮内だった。つまり今回の福井問題の黒幕的な存在は宮内だった。これだけの事実で福井は総裁就任時に決別できなかったは、福井の道義的金銭感覚が自から分かる。日銀総裁として適格性を欠くのである。

J社会的に最大の有責者・宮内を国会に喚問すべきである。

      平成18年6月20日徳永日本学研究所 代表 徳永圀典