学ぶにつきざるなり その三十一
8月2日 何よりも すがすがしきは 起き出てて 朝日に向かふ 心なりけり 植松有経
8月3日 君ならで 誰にか見せむ 梅の花 色をも 香をも 知る人ぞ知る 紀 友則
8月4日 小さきは 小さきままに 花咲きぬ 野辺の小草の 安けさを見よ 高田保馬
8月5日 行く道の 細きを守り つつましく 低きに居りて 心静かなり 長井弥太郎
8月6日 なかなかに 遊ぶいとまは ある人の いとまなしとて 書読まぬかな 本居宣長
8月7日 たのしみは そぞろ読みゆく 書の中に 我とひとしき 人を見し時 橘 曙覧
8月8日 古き書 読めばくさぐさ 思うなり かからん時に われ生まればや 吉田松陰
8月9日 欲ふかき 人の心と 降る雪は つもるにつれて 道を失う 高橋泥舟
8月10日 気は長く 勤めは堅く 色薄く 食細うして 心広かれ 天海僧正
8月11日 世の中に 同じ心の 人もがな 草の庵に 一夜かたらむ 良寛和尚
8月12日 白梅の 暮れて星屑 降るばかり 重松白雲子
8月13日 年ゆくと 満天の星 またたける 蓼汀
8月14日 泛海 王陽明
険夷原不滞胸中 何異浮雲過大空
夜静海涛三万里 月明飛錫下天風
8月15日 海にうかぶ
険夷もと胸中に滞らんや 何ぞ異ならんや浮雲の大空を過ぐるに 夜静かなり海涛三万里
月明錫を飛ばして天風を下る 王陽明
8月16日 冬夜読書
頗壁雪三尺 寒空月一輪
堅疑天地気 聚在読書人
8月17日 頗壁 雪三尺 寒空 月一輪 堅疑 天地の気 聚まって読書の人在り
山田方谷 備中松山藩参政
8月18日 六中観
死中・活有り。 苦中・楽有り。 忙中・閑有り。 壺中・天有り。 意中・人有り。 腹中・書有り。
安岡正篤
8月19日 八喜偈
一、天、人を喜び 人、天を喜ぶ。
二、神、吾を喜び、吾、神を喜ぶ。
三、天、神を喜び、神、天を喜ぶ。
四、人、吾を喜び、吾、人を喜ぶ。
8月20日
佳いものは何でも佳いが、結局,佳い人と佳い書と佳い山水との三つである。 安岡正篤
8月21日
若い時は、地位と権力と財産の三つが佳いものと考えていたが、この三つとは全く無縁に終わりそうだが、これでよかったのだ。 安岡正篤
8月22日
安岡正篤先生の言葉を沢山披露してきて三十年、安岡正篤先生の著書や言葉は、私にとり「人生の鑑」であり「人生の宝」である。死ぬまで、楽しく、じっくりと噛みしめ味わい玩味してゆきたい。徳永圀典
実に、三十年間、鳥取木鶏会例会やら本ホームページでご披露した参ったが、ここらで終止符を打ちたいと思います。多年に亘りご閲覧を賜り感謝申し上げる。ありがとうございました。
平成29年8月22日 徳永圀典