日本の指導層は政治的精神異常患者 

その大衆の時代である現今世界の実情は、特に日本において著しい。

指導層の知識人が一般にケストラーのいわゆる政治的精神異常患者になっていて、

現実の難問題を忌避し、大衆の政治的本能である「勝れた何ものかに属しようとする要求」

を充たすことが出来ずに、却って大衆に迎合しようとして、人材が低級になる一方なのであ

る。 

やはりこの時風を打破し、真に能く大衆の要望に応えて時代の革命を正しく遂行するエリー

トが出てこなければ、或は出すようでなければ、大衆は遂に救われない。 

やればやれる人々が、自分の私生活にばかりかまけて、一向真剣に国家や民族のことを考え

ず、漫談や批評にその日暮らしをしておるばかりでは結局、混乱と滅亡の外ない。 

やはりいつの世も多数の先覚者、先駆者の挺身斡旋から新しい時局が開けてゆくのである。