松陰その五
  やむにやまれぬ大和魂の持ち主

松陰は、また「人を疑う」ことを恥じた。

自己の真正な生き方が、人をして純正なものにすると信じていた。

だから、密航を自首し、倒幕計画を打ち明けたのである。

余りに純朴すぎると思うであろう。

だが、やむにやまれぬ大和魂の持ち主であったのだ。