安岡先生は、吉継が三成に宛てた手紙から吉継の人物を高く評価されている。
その手紙には、「金銭と人間の在り方」に関するものであるが一部を要約する。
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あなた(三成)はお金を大切にして、人や家来にも
金さえ与えれば命令に従うものだと思っているが、それは全くの心得違いである。勿論、お金は第一の宝であるが、使い方によっては命取りにもなるものだ。
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また、家来は誠の心を以て接しなければ心服しないものである。お金で従わせようとしても、イザと言う時には、ソッポを向かれてしまう。
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主は貧しくとも、自ら礼儀を貴んで接すれば部下の情けも深くなる。
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貧しくとも誠意を以て部下に接し、人間としての志があれば、部下はどんな困難にあっても命を惜しまず主人と一緒に歩むものである。
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あの源義経は兄の源頼朝に追われて、奥州の平泉に向かって逃避行したが、その時、義経に従った者たちの気持ちを考えるべきである。
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お金で、人を使おうと思うのは、人の心が離れる原因である。それ故、何事にも誠意と情実を以て部下に接しなければ事を成すことも成功をおさめることも出来ない。