被災地・柏崎、87才のお婆さんの言葉 

先月、大地震の被災地・柏崎の被災者の皆々様に心底より同情を申し上げる。

一日も早い復興と元気で立ち上がられることをお祈りしております。 


さて、その被災地の87才のお婆さんがテレビに出ていた。
 

倒壊した家屋、柱が斜めになった空間にそのお婆さんが座っていた。机の上にローソクを立てて明かりとしていた。独りで住んで自活しているのだ。 

アナウンサーが質問した、かくしゃくとして精悍なお婆さんが答えた。 

大根や、人参や、玉ねぎを調理して食べています。

水が一番に難儀します。

ここに到っては、

度胸を決めて生きて行くしかありません。昔に返ったと思えば・・・」と。 


これである。これである。

この度胸を決めること、人に頼らない気概、どん底で、人を当てにしないで、腹を据えている姿。戦後人にはこの気概が消滅してなまちょろい。 

これだよ、これだよ。戦後日本人が忘れたのは。

広い避難所に避難している人々、ストレスも溜まるであろう。
だから役所は、テレビは、言う、

「心のケアー」の巡回だとか云々・・・・。これは少々甘すぎる。 

現実は、通常人は、こんな場合は、耐えるしかないのだ、誰にでもあり得る災害だ。

個人の心の在り方としては、このお婆さんの心を現代人は見習えと叫びたい。
  

人間の住む地球は、災害はいつでもあり得る、まして地震国だ。
地球の生き物とはそういうものだ。

自分が確りして災害を耐えて行くしかないのだ。 

現代人の余りのひ弱さ、自活の精神の欠如、甘い社会環境、自らに言い聞かせ、見習うべきものをこのお婆さんに感じた。

この精神を大切に刻みこんでおきたいと。
 

平成19年8月1日 

徳永日本学研究所 代表 徳永圀典