松平定信 その二


弛緩した政治を一新する為、定信は田沼に迎合した腐敗重臣らを一掃し、少壮気鋭の士を登用し、綱紀の粛正、生活・風紀の華美を厳重に取り締まった。

結果、

「世の中に蚊ほどうるさいものはなし、ぶんぶ(文武)と言うて夜もねられず」

の狂歌が詠まれ、田沼時代を恋しがって、

「白河の清きに魚のすみかねて、元の濁りし田沼こいしき」

とまで詠まれた。世相を暗くし社会的な活動を停滞させた。

初期幕府体制復活を意図したが時代錯誤の結果となり失敗する。