自灯明(じとうみょう)

 釈尊(しゃくそん)は、八十歳で、伝道の旅路で亡くなります。

  釈尊は、その晩年に、高弟の(シャー)利子(リプトラ)と、目連(マウドガリヤーヤナ)とを

       相次いで(うしな)います。釈尊は、弟子に教えるというよりも、しみじみと

       自分に言い聞かせます。 

      「古木にあっては、幹よりも枝が先に枯れることもある。

       生あるものは必ず死に、会うものは必ず別れなければならない。

       故に、人は依頼心を捨てて、自分が自分を頼りになるように、

自分を光とするがよい・・」と。

       「自らを灯明(ひかり)とし、自らを()りどころとせよ」

        自分を光とするということは、自分が光り輝くように、

        自分の心や、言動をよく調(ととの)えて、自分の心を豊かにすることです。