91日 敗事多く得意の時

 「成功常に苦心の日に在り。敗事多く得意の時に依る」という一聯がある。常とか苦心のいう字が時に相違するが、意味に変わりはない。痛切なのは後の句だ。大抵失敗すれば、原因を他に帰しがちで、なかなか自分に省みようとしない。然し、確かに多くの場合、自分が得意の時に失敗の原因を作るようである。