徳永の「世界史」−日本の立場から見直す その二
世界史は西欧から始まったとか、人間はアダムとイヴから始まった、と言うような漠然とした認識を抱いて成人となった人々が多いのではあるまいか。それは近眼視的見解である。
なぜか、以下に所見を開陳する。
   平成25年9月

1日 20世紀の幻想思想の社会主義 20世紀の幻想であった思想は、今にして思えば社会主義であろうか。アメリカと日本との戦争は、封建的に天皇を戴いている社会であるかのように喧伝されていた。事実、実態は、今にして思えば、そうではなくて、欧米、ロシアの植民地主義・帝国主義が社会主義というイデオロギーにより彩られつつ日本の伝統社会を襲っていたのだと言う事ではないか。今だからそう言えるのだが、その中で第二次世界大戦が勃発したのである。
2日 フランス革命後、資本主義が社会主義に向かってゆく流れが作られて、その中に共産主義社会を目指すソ連が出現した。まもなく世界大恐慌が発生して資本主義が混乱、その崩壊さえ思わせ社会主義社会が可能のように考えるに到ったのである。日米開戦前夜のアメリカとソ連がルーズベルト大統領に見るように協調の可能性を秘めていた。
3日 ハル・ノートの背景

日米開戦前のハル・ノートはこのようなイデオロギーが背景にあったのだ。日本の無条件降伏の中に、日本をどう変えるかというテーゼがあったのであろう。アメリカの押し付けた戦後民主主義とこの背景が混同しておったのだ。

4日 社会主義の失敗

冷戦が終結しソ連が崩壊、中国は実質的に完全な資本主義国である今日を見ると、いわゆる社会主義はこれまた完全に失敗であったと断定できる。それは日本社会党の消滅、その後継の社民党の崩壊寸前にその流れを見ることが出来る。

5日

そして、この開戦前後から今日の社会主義崩落の過程の中で、日本だけが常にそれらに対抗していた、そしてそれは正しかったということが歴史に証明されつつあるのではなかろうか。

6日 アメリカの変貌

戦後は、アメリカは変貌したのだ。アメリカと日本は安全保障条約を締結、アメリカの社会主義も捨て資本主義化に邁進した。要するにアメリカもイデオロギー的に反ソ連となり日本と協調した。日本は常に保守に一貫しているのである。

7日 伝統回帰が祖国防衛に直結

日本は常に一貫している。この事は特筆大書すべきことで確りと見直して自覚しなくてはならない。国難の時こそ再確認をしなくてはならぬ。国難の時に、伝統回帰して自己のアイデンティティを確認し自信を以て賢明に父祖の道を守れば国を間違えることはない。

8日

いずれにしても、明治以降、社会主義の流れ、軍事的にも、イデオロギー的にも対抗することが出来たのは日本の伝統的な社会が揺るぎ無い地盤であるからで日本人は日本の地盤即ち伝統を守れば困難を乗り越えることができる。

9日 日本の民主主義

それは何か、天皇を中心にした資本主義、民主主義と言うものが日本には伝統的に存在していたのだということである。日本の民主主義は戦後アメリカから到来したものではなく万葉時代からのものなのである。

10日

処が日本人は、このような事の自覚が欠けている。民主主義は敗戦によりアメリカから到来したと思っておるのが残念である。それは明治以降の西洋の論理にどっぷり漬かったままだからである。

11日 日本の力の源泉 今日の情勢からつらつら考えてみると、日本が明治以降、押し寄せてくる欧米の変化、それはイデオロギーであれ、軍事力であれ、対抗できたのは、なぜか。日本の伝統的価値観を失わず、社会が揺るぎ無いものであったからだ。だからいかなる世界的環境の変化が押し寄せてきても、2千年間の価値観を、それは皇室であり、家庭であり、日本人の先祖の道である神道を遵守しておれば新興国家群の欧米、中国などのイデオロギー国家に負けることはないであろう。日本人よ。自覚して自信となせである。
12日

このホームページで愚生は何度も指摘しているのだが、18世紀、明治の時点で科学・物理以外は日本の方が欧米より先進的であったのだ。特に、倫理・道徳・文学・芸術などを指摘できる。これは、世界史の中で、欧米文化と日本文化は相対的な位置に在る。その自覚をして欲しいと思う。

13日 質の高さ

そして、更に付け加えるならば、古代より、個人レベルでの質の高さは世界基準を抜いている。だから新しい水準とか基準でスタートすれば40年経過すれば日本人は世界トップへと躍り出る。その繰り返しであろう。

14日 伝統的社会の揺るぎない基盤こそ国を守る武器

私が特筆大書したいのは西洋の社会主義化や、アメリカとかヨーロッパのイデオロギー的なまた軍事的な変化に日本は遭遇してきたが、結果的にうまく対抗し切り抜けてきた日本であるが、この秘訣はどこにあるのか。それは、多くの日本人は気がつかぬが、日本の伝統的社会が揺るぎない基盤を保有していたからである。 

15日 日本社会が優れていたこと

それは天皇を中心とした日本社会が優れていたことである。その日本型資本主義、民主主義が元々日本に存在していた。これが大きな強みであり現代の中国とか韓国の社会と異なる安定性の根源なのである。これを揺らがせないことが日本にはとてつもなく重要だということを今こそ肝ら命じなくてはならぬ。

16日 国家の基軸、国民に基軸がある日本

中国は限界が見えた、韓国も限界が見えたばかりか欧米資本の餌食となった経済体制である。日本は、世界最大の対外債権国家である。デフレ時代にも結局ダウンしなかった。なぜであろうか、やはり、日本と言う国家・国民には芯があり、地盤が強固だ。これは日本と言う国家の基軸、国民に基軸があるからであろう。

17日 一貫性のある国家は日本だけ

その基軸とは、日本有史以来、一貫性のある国家ということではないか。普遍性が高い国家として二千年継続しているのだ。強固な国民性があるからだ、伝統文化が確かだからであろう。だから、いかなる大災害、いかなる人為的破壊―戦争を含むーが発生しようとも必ず不死鳥のように蘇えるのだ。我々は自覚がなかったがこれは深く自信として国民に未来の子孫に植え付けなくてはならぬ。

18日 普遍性高い日本

いくら韓国とか中国が、日本を悪し様に宣伝しても戦後日本のやってきた実績と本来の日本人の心と優しさは益々拡大して認められている。それは、暮らしのレベルの高さにある。生産品だけでなく、日本人の使用するものは人間の暮らしに普遍性がありと外国の人間も必然的に認めざるを得ないのである。

19日 巨視的世界観

現在、中国や韓国が日本の過去のことを悪し様に言うのは歴史の真実を突いていない。それは、巨視的世界観で素直に見れば自明であり、台湾とか東南アジア諸国の見解が正しい。

20日 虎視眈々と策謀する中国

中国など、香港を百年間、アヘン戦争で英国に取られたままである。近世歴史では中国は西洋諸国に散々に痛めつけられたのを指摘しない。それはアメリカ初めとして欧米諸国が世界の舞台裏を握っているから下を向いているだけ。彼らの真の野望は、実力がアメリカを凌駕したと見たら、それらを非難開始するであろう。その時に初めて日本の歴史的使命を認めるであろう。その大きな構想の下で太平洋を我が物顔にするべく虎視眈々と策謀しているのだ。

21日 日本人は覚悟を要する

韓国など、中国に対する「従属変数」次第である。歴史的に中国の柵封下国家であり彼らの変節は身についた本能的なもので驚くに当たらない。日本は、大陸と是々非々の関係を保持するのが最重要である。その為に侵略は阻止する態勢の保持が最大重要課題である。そのかってない危機は歴史上最大のものであり日本人は覚悟を要する。

22日 他国の国民性の研究を

日本人は、島国であり外国人に対し無防備過ぎて、いい意味で研究が足りないから間違えてしまう。他国の国民性の研究、予備知識が足りない。これは特筆大書すべき欠点であろう。ここを確りと国民が認識して対応しなくてはならぬ。

23日 日本の基本を忘れない

日本は、安倍内閣によりリセットし再び経済成長へと躍進する。TPPにも参入する。外国人の来日も増加する。ここで大切なことは、日本の自立性、江戸時代から続いている自立的営みの基本を忘れないことだ。明治維新により出来た日本のことではない伝統と文化のことである。

24日 グローバリゼーションの要諦

世界経済、即グローバリゼーションではない。日本が存在し、そこから拡大する形の経済がグローバリゼーションであると認識しておかなくてはならぬ。自分たちの伝統文化が中心なのである。ここは実に肝要である。

25日

己のアイデンティティ即ち自国の伝統文化を放棄してはならない。それは各国互いに認め合うことである。ここが基本なのである。自国の立場が確りしておることが重要なのである。

26日 日本は世界に伍してゆける

そして絶対に忘れてはならぬ基本は「物づくり日本」と言うことである。手の文化の日本は、世界に冠たる製品を創造できるものが天性である。これは世界一の民族的資質である。これを活用すれば日本は世界に伍してゆける。

27日 勤労の尊い価値

そしてもう一つ、日本の道徳性の高さである。古代より天皇自身が田植えなさることが示す勤労の尊い価値が国民的精神の起訴となっている。国民としては二宮金次郎の精神を忘れないことである。

28日 実業

金融中心の経済は、これは虚業である。実業の物づくりが経済の基本であることを決して忘れないことである。さすれば如何なる時代でも重要な存在として世界に遅れを取ることはない。

29日 第一次世界大戦後

さて、目を世界に再び戻す。第一次世界大戦後、アメリカが経済と軍事力をバックに世界を制覇してきた。ここで日本は太平洋を挟んでアメリカと対峙することとなった。

30日 社会主義はユダヤ人が始めた

アメリカは移民を集め人種構成は複雑であるがアングロサクソンが軍事力を把握し、WASP、アングロサクソン系新教徒白人と金融を掌握するユダヤ人の二つの連合という様相を呈する。ここでナチスが台頭した。ドイツ人の優越主張はユダヤ人を迫害する。ユダヤ人の多数は社会主義に傾斜する。ここが肝要な事態であった。社会主義はユダヤ人が始めたのだ。カールマルクスもユダヤ人、ナチスの迫害を逃れてアメリカに亡命する。彼らは民主党政権下でルーズベルト大統領の周辺に入りこんで、内政や外交を担ったのである。