戦後日本を一言で申せば、
上はトップから一庶民まで、ものの価値判断の基準、
或は判断基準の尺度が「利」一色になっている。
「損か得」かの形而下的社会になってしまった。
利は誰でも好む、亦、適正な利は必要である。
義のある利を
利を得る時、適正でない利であれば、
これが正しい利か、この利を得るに義があるのかと、
我々の世代は本能的に自問自答した。
政治家や指導官僚、指導的な地位にあればある程、
利の取得には義を求めなくてはならぬ。
岫雲斎