為政者といかもの 

「寛にして(じゅう)ならず、(めい)にして(さつ)(悪い意味で、ほじくる)せず、簡にして粗ならず、()にして(ぼう)ならず、此の四者(よんしゃ)を能くして以て政に従ふべし。 

(よう)(ぼう)の人は高きに似たり、苛察(かさつ)の人は明に似たり、円熟の人は(たつ)に似たり、軽佻(けいちょう)の人は(びん)に似たり、懦弱(だじゃく)の人は(かん)に似たり、拘泥(こうでい)の人は(こう)に似たり、皆似て非なり」 

上に立って人を指導し使ってゆくことは難しい。そこで先ず四つのことが出来て始めて上に立って政治を取ることができます。 

第一は、ゆるやかであるが締めくくりがある。 

次に、よく分かっておりながら、うがち過ぎない、立ち入らない。 

第三は、簡潔ではあるけれども、粗雑でない。 

最後は、きびきびやるけれども、荒々しくない。 

以上の四つのことが出来て、始めて政治を取ることが出来る。

     安岡正篤先生の言葉