9月27日 貧乏暇なしとは言えぬ

 この大日本野史は頼山陽の「日本外史」などとは違った291巻にわたる苦心の大著です。著者は飯田忠彦、1798-1860年、といい、昼間は大坂の有栖川宮邸に仕え、夜は父の晩酌の相手をして、その余りの時間で、「大日本史」を二冊ずつ借りて写し取り、それを参考資料にして「大日本史」の終わりを継ぎ、後小松天皇から仁考天皇までの約420年間を叙述した。そして実に38年の歳月をかけて291巻という大著を完成したのです。これを考えると貧乏暇なしで何も出来ぬ、などとは義理にも言えませぬ。