徳永の「資本主義を考える」
現代資本主義は、重大な歴史的挑戦を受けていると言える、四つの問題点を提起
青谷廃寺遺跡は「弥生の博物館」と言われる。人骨が大量に発見された。
その骨から、弥生、紀元200年の頃ですが、
平均寿命が判定されています、
男が30歳代、女が20歳代であります。
では明治時代の平均寿命は
明治24年の平均寿命は男43歳、女44歳。
凄い低いですね、日本は中世でも他国と比べて文明度は高かったが、それでも、これです。
21世紀ま日本、
現在平均寿命は 男80.98歳 女87.14歳。
これは紛れもなく資本主義の成果でありましょう。
女性
香港 87・66歳 日本 87・26歳スペイン 85・84歳
〈男性〉
香港 81・70歳 スイス 81・5歳 日本 81・09歳
18世紀に英国で始まった資本主義250年となります。キリスト教倫理を背景に発展、日本も明治以降、江戸倫理により後発ながら大成功。
先進国と呼ばれる国々では人類が経験したことのない経済成長でした。
これは一方で膨大な資源・エネルギーを消費し、現在の地球環境温暖化を生み出しています。
これは一人当たり所得の上昇と共に平均寿命を大きく伸ばしました。
日本は欧米より遅れてスタートした資本主義経済でした。私の調べでは、驚くなかれ
明治24年の平均寿命は男43歳、女44歳でした。
現在平均寿命は 男80.98歳 女87.14歳。
これは紛れもなく資本主義の成果でありましょう。
弊害もあります。
国や時代と無関係に
大きな問題は「所得格差」です。所得の分配と不平等格差です。
英国では19世紀前半に資本主義の下で拡大する貧富の差が社会問題となっています。
カール・マルクスの共産党宣言がロンドンで出版されたのが1848年でした。その後共産党が各国を脅かしてきました。
戦前の日本は、大変な格差社会でありました。皆さんは想像できないでありましょう。
データーは省略しますが、戦前の日本の不平等は現在の中南米諸国以上のものであったのです。
昭和20年の敗戦後、一挙に平等化が進みました。
戦後の平等化の要因は
財閥解体、農地解放、預金封鎖、ハイパーインフレ
。これにより戦前の富裕層は没落し平等化が進展しました。
そして昭和25年頃から30年代にかけた高度成長により「一億総中流」の言葉が生まれました。
でありますか、
実は、1980年代に入り経済成長率が低下し、21世紀には格差問題が大きな問題として浮上してきております。それは消費の旺盛さの減退です。この時期の輸出の寄与率は10%。ですが、バブル崩壊後、格差が大きくなる中で、輸出依存型経済成長となっているのです。
それは技術の変化、即ち情報通信技術の進化によりホワイトカラーの層の所得低下があると指摘されています。
資本主義がこのように20世紀を経て今日まで機能してきたのは
政府が所得分配について修正を加えてきたからでありましょう。
バブル崩壊の記憶が分かりやすい。崩壊で格差が大きくなる中で日本経済はまだ新しい進路が見つけられたとは言えません。
ソ連崩壊の意味です。
戦後です東西冷戦終結後、社会主義国の労働人口7憶人が生産人員に組み込まれ、欧米の対中国認識の齟齬により、中国が民主主義自由主義国の支援により経済的に大成功して危険な台頭を遂げつつある。
中国のそれは、欧米諸国に意図に反して、民主化せず、「社会主義大国」として、今やアメリカを凌駕し、世界制覇を明白に狙うまでになった。
中国と、相互親密であったドイツさえ、明白に「中国危険」と舵取りを変えた。
アメリカは、共和党、民主党とも議会は全員一致で中国危険と明白になった。
あのオーストラリアさえ然りである。
長期政権になり安倍総理の卓越した指導性により、インド太平洋安保も進化している。
中国危険は、後進国を除き世界に普遍化しつつあると私は見る。
然しながら、資本主義国に深く入り込んだ中国、そして自国内企業に共産党支部を義務づけるなど、「一党独裁資本主義」とも称せる異様な経済国家となっている。
現代資本主義は、重大な歴史的挑戦を受けていると言える。四つの問題点を指摘する。
1.その中国は、先進技術の盗用と後発の優位性により、デジタル国家主義による権威主義経済を先端的に移行している。
2.人間の知性を凌駕すると言われるAIの本格化。
3.大衆迎合主義が進展しリベラル国際秩序の挑戦
4.中国の「一帯一路」による世界秩序混乱。
大きくは中国問題もありますが、
国内的には
21世紀の資本主義は高齢化と伴う格差の拡大という「経験の無い新たな問題」に直面しております。
年金・医療など社会保障問題の改革が不可欠となることが予測できます。
平成30年9月3日
徳永日本学研究所 代表 徳永圀典