義運と時運 大東亜戦争の終戦の詔勅を成すにあたり、 いかなる姿勢が日本にふさわしいか、 戦後日本の復興を期すにあたり、 陛下にどんな言葉を国民に語りかけていただくか。 碩学・安岡正篤は、熟考の末、 決め手となる二つの言葉を、詔勅に刻み込んだ。 終戦というまさにギリギリの事態にあって、 安岡はただ一人、 「おめおめと負けたという事実として歴史に のこすことを避ける」という大局観に立って 、珠玉の言葉を絞り出そうとしていた。 本書は、それを自ら語った安岡自身の講話や、 起きた事態を学問的見地から総覧した 小堀桂一郎の解説、その他、 安岡正篤のファンでもあまり知られていない 資料・文献を収録して、 終戦に至る実相に迫るものである。 「玉音放送」と「安岡正篤の肉声による講話」 を収録したCDを付す。 戦後70年を考えるに当たり、 不可欠の一冊である。