徳永様、ご案内有難うございます。
メールを頂くたびにHPは拝見させて頂いております。

さて、私は件のクー氏を存じませんでしたので、少し調べてみました。その中で次のページが氏の考えをよく示しているようです。
http://www.academyhills.com/gijiroku/rechard/inter.html

ここで同氏は
> まず、今、やるべきことは貸し渋り対策である。しかし、日本人 にとって
銀行叩きは「国民的スポーツ」と化しており、銀行のリストラが「正義」として世論に支持されている。この正義はミクロ の正義であり、すべての銀行がリストラに走れば、また合成の 誤謬」が発生してしまう。マクロの正義からものを見る人がいな いと大きく方向性を誤る。と記しています。>

どんな不況下でも商才のある人はいるもので、そういう人たちが活躍する土壌があるかどうかが不況脱出の糸口になると思うのですが、貸し渋りがそれを阻害しているのは明らかだと思います。また貸し渋りは金策の不得手な先端、中小の技術者のマインドにも悪影響を及ぼしている感があります。
こうした状況で銀行を叩くのは全くの後ろ向きな姿勢です。銀行にリストラ圧力をかけて萎縮させ誰が得をするのでしょう。今のデフレ下で何より必要なのは金が動くことです。護送船団方式と言われようが自己資本比率がどうだろうが、なりふりかまわず、まず銀行が金を貸しやすい状況を整えるのが政府の役割だと思うのです。現在の政策は、そういう優先順位を見失っているように見えます。クー氏の「糖尿病と肺炎」のたとえはその意味で納得できるものですが、一点銀行のリストラを容認するような箇所がありました。私はもっと突っ込んで、「景気が回復するまではどの銀行も潰さない」くらいの意気があっもいいと思っています。ほんとうにダメな銀行を潰すのは景気が回復してからでも遅くはないし、もしこの不況下に破綻する銀行があれば海外の投資家の餌食になるのはもう経験済みだからです。というわけで、クー氏の意見におおむね賛成であるが、もっと過激であっていいと考えました。若輩の生意気で申し訳ありません。
山の写真など楽しみにしています。
それでは失礼します。     平成14年11月6日

竹中リチャード・クー論争・現今経済問題投稿集