中国あれやこれや F
平成17年7月

 1日 中国軍事力の脅威 1999年4月、北朝鮮の偽装船の日本領海侵犯があった頃、中国軍艦が、尖閣列島付近を航行していたのを航空自衛隊が確認。 続いて5月、中国海軍はフリゲート艦など軍艦12隻を出動させ尖閣諸島の北方海上で軍事訓練を行った。
 2日 中国軍事力の脅威 更に6月17日中国軍艦10隻が尖閣諸島周辺を航行しているのが確認された。艦艇は大型化され4隻kミサイル駆逐艦を中心に編成されている。排水量1万トンの潜水艦救難艇も随伴していた。 中国の地図には尖閣諸島は既に中国領土と記載されており4月以降の中国艦艇の動きは日本の尖閣領有権の主張を無視したものである。
 3日 中国軍事力の脅威 日本はその対応を見守るのみである。この日本の姿勢を見透かして力で押してくる中国に対して日本は何をなし得るか。 21世紀の未来を思う時、大国・中国の脅威にどう対処し、もう一つの大国・米国にどう対処する事が日本を守ることに繋がるのか。真剣に考えなくてはならない。
 4日 日本・二流国と看做す中国

杏林大学田久保忠衛教授の発言。「日本は既に二流国と看做されている。その思考は欧米で大きな波紋を広げたハンチントン享受の「文明の衝突」に典型的に見られる。

「ハンチントンによると地域大国はヨーロッパでは独仏連合、東アジアでは中国、南アジアではインド、ユーラシアではロシア、中東はイラン、中南米はブラジルである。」
 5日 日本・二流国と看做す中国

「日本が認識すべき重要な事は、東アジアの地域大国は日本ではなく中国であると米国が捉えている事。日本は二軍の国家で、一軍は中国だということ」

米国は一軍国との距離を測りつつ必要に応じて各地域の二軍国を一軍国へのカウンターバランスとして活用している。それにより米国支配の単極構造の維持を図る」という分析である。
 6日 日本・二流国と看做す中国

中国の眼に映る21世紀の日本もまた同様。江沢民国家主席が日本を訪れた1998年11月を前に中国共産党幹部の間で「21世紀に向けた中日関係という文書が回覧された。

同文書は「日本は経済大国からやがて政治大国へと成長を遂げると見られていたが、そのような見方には重大な修正を行うべきだと断じ、21世紀の中日関係は「戦略的パートナーシップと位置づけるのには適さない」と結論づけたという。
 7日 核こそ力の源泉との戦略

一言で言えば「日本を相手とせず」ということである。中国の対日基本戦略は怖ろしいほど明快な「力関係」に基ずく支配であることが窺われる。

力は本来、経済、政治、外交、軍事の全てを包含した国力という意味であるが、中国の歴史を見ると彼らがとりわけ軍事力を重視してきたのは事実である。
 8日 核こそ力の源泉との戦略

1947年日本は新憲法で戦争を放棄し平和を求めるとした。中国の建国時の1947年、核兵器開発の決意を表明した。

1955年、自民党と社会党による55年体制で馴れ合い政治に入った頃、中国は核兵器開発に着手した。
 9日 中国は核兵器を力の源泉

1964年、日本はオリンピック、IMFから資金を借り東名高速や新幹線を建設し経済飛躍のテコとした。

同じ頃、中国は核兵器の実験に成功し世界を驚かせた。人民がズボンが佩けなくてもと、強い国家意識で核兵器を作り出した。
10日 中国は核兵器を力の源泉

1970年、大阪万博で日本経済は順風漫歩。

同じ頃、中国は人口衛星を打ち上げた。核兵器の運搬手段である。以来、日本は中国のミサイル射程内にある。
11日

海を隔てて、合い向かう日中は、節目節目で、およそ正反対の目標に向かい邁進してきた。日本はひたすら経済成長、中国はひたすら強い軍事力である。

1980年代以降、中国は第二世代の核開発に入る。1999年7月15日中性子爆弾の技術保有を発表した。悪魔のような殺人兵器である。
12日 日本を見る眼

力の信奉者である中国は、軍事力の充実を最優先にしてきているのだ。21世紀展望の眼は厳しい。

日本を外交、安全保障面で、外国に従属した、限られた役割しか果たせない国と断定している。
13日

日本の対中援助1.

ODAと旧輸銀総額合わせて、過去20年間、総計6兆円である。人口13億人の中国年間国家予算の半分に及ぶ金額である。日本の税金から投入された。

対中援助の大部分が、鉄道、高速道路、空港、港湾、通信網などの建設に投入された。中国全土の電化鉄道の4割、港湾建設の1.3割である。驚嘆すべき貢献である。
14日 日本の対中援助2.

チベット、日本の援助30億円で蘭州から首都ラサまで建設された3千キロの光ファイバーケーブル建設は、すべて中国人民解放軍が施工した。戦争追行能力向上に利用されている。

人民解放軍300万人の軍事ネットワークが全土に網の目のように広がった。
15日 弱い者には侮蔑的な中国

力の信奉者である中国の日本に対する眼は厳しい。とりわけ日本に対しては侮蔑的である。

1987年頃、中国軍内部で国防発展戦略の重要論議があり、「戦略的境界の概念」が提起された。
16日 中国新思考の国境線ー覇権そのもの

国家の軍事力が実際に支配している国家利益と関係ある゛地理的範囲の限界゛という意味で、これは「国境とは国家の総合力の増減により伸縮するという意味である。

中国にとり、これまでの国際政治の中で確立された国境線は事実上無意味で、ひとつの国の総合国力により、その都度変化するのが実質的な国境線ということである。
17日 中国新思考の国境線ー覇権そのもの

つまり、中国にとりこれまでの国際政治の中で確立された国境線は事実上無意味で、一つの国の総合国力により、その都度変化するのが実質的な国境線だということである。

戦略的境界の考えである。中国と周辺国のれまでの戦争を想起すれば、中国の本質本音が見えてくる。
18日 中国の昭和20年以降の戦争1.

中国共産党による建国は1949年、昭和24年。翌年50年から53年百万の大軍を朝鮮戦争に投入。

54年から55年、更に58年には台湾海峡で国民党軍と戦った。
19日 中国の昭和20年以降の戦争2.

59年にはチベット動乱、62年にはインドとの国境紛争で戦争した。

69年遂にソ連と国境を巡り戦う。74年には西沙初頭をめぐりベトナムと戦争。
20日 中国の昭和20年以降の戦争3.

79年には登小平がベトナムに懲罰するとして中ベトナム戦争。

88年には南沙諸島を巡りベトナムと戦う。
21日 中国の海軍力1.

拓殖大学茅原郁生教授

中国は運搬手段としてIBM(大陸間弾道ミサイル)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、及び爆撃機の三つを所有している。

英仏の核は結局、アメリカに組み入れられた核である。だから英仏はIBM(大陸間弾道ミサイル)を保有していない。つまり、米国とロシアと対等に戦える核戦力を持っているのが中国である。
22日 中国の海軍力2.

加えて、中国の核兵器は95年と96年に台湾近海で実施された地対地弾道ミサイルの発射訓練の如く、単なる抑止力としてでなく、威嚇力として実際に使用される可能性がある。

そのような弾道ミサイルが、日本と台湾に照準を合わせて林立しているのである。日本をターゲットとした核ミサイルは北朝鮮と隣接する遼寧省の通化基地及び江西省の楽平基地に配備済みである。
23日 中国のミサイル

クリントン大統領が中国を訪問した際、米中両国は互いを核ミサイルのターゲットから外すことで合意している。

然し、日本と台湾に照準を当てたミサイルについては、解除措置はとられていない。
24日 ミリタリーバランスの報告

中国の戦略核部隊のミサイル軍は六個師団、兵力12万5千人。日本の自衛隊、23万人の半分が専ら核兵器やミサイルを担当しているのだ。

彼らの任務は何にも増して最優先され、米国とかロシアに真っ向から対立することさえ可能な核兵器が揃い、中国の軍事戦略の中枢を担っている。
25日 中国の本質

杏林大学
平松茂雄教授発言
中国の「解放軍報」掲載の論文を引用しつつ、「中国は実質を備えない脅しは持続的に威嚇作用を持たない為、威嚇は必ず真実性を持たなくてはならないという思考。核兵器も同様で、それを活用するには実戦能力、使用する意思と決意、それらを相手に認識させることの三つが重要だとしている。 台湾総統選挙前の96年1月、中国側は元米国国防次官に、もし台湾が独立する場合、中国軍は通常弾道ミサイルを毎日一発ずつ台湾に向けて発射すると警告したと言われている。

「中国まさに恐るべきである。
26日 中国海軍1

急成長の中国海軍、28万人体制は自衛隊を軽く上回る。水上艦艇部隊、潜水艦部隊、航空部隊、陸戦部隊、海岸砲兵部隊から編成される海軍は北海、東海、南海の三艦隊を持ち、日本の生命線であるシーレーン防衛にとり最も厄介な潜水艦に至っては63隻を保有。

茅原教授語る、「一隻の潜水艦を探索して攻撃するにはワンセット八隻の護衛艦が必要である。従って囮り4隻で日本の4個護衛隊郡を釘付けにしたら、残った中国の潜水艦はフリーハンとなる。
27日 中国海軍2

現在も尖閣列島付近には中国艦船が展開し、潜水艦も尖閣近海に潜っていよう。

東シナ海から南シナ海まで彼らが展開し、日本の南西シーレーンに出没し始めたら日本はなす術もない。軍事的能力以前に、貿易立国としての日本の生命線が断たれる。
28日 中国海軍3 中国は、ロシアからキロ級潜水艦2隻と、ソブレメンヌイ級駆逐艦4隻を購入した。前者は米国のロサンゼルス級原子力潜水艦に劣らない静寂性を持ち、後者は 米国が恐れた音速の二倍のミサイルを搭載している。海面6米の超低空飛行が可能で米国レーダーさえ捕捉が難しい。
29日 中国空軍

47万人の兵力と作戦機3740機を保有する大軍である。日本のF15戦闘機に相当するスホーイ27機のライセンス生産を始めており2010年には、日本の力と完全に逆転する。

このような強大な軍事力を使い、中国はどのような侵攻作戦を取るのか。明日から説明する。
30日 三段階の台湾侵攻作戦1.

三菱総研の宇佐美暁氏より

第一段階

高雄、基隆、馬公の海軍艦隊基地の攻撃。駆逐艦やフリゲート艦への弾道ミサイル攻撃で撃滅する。
31日 三段階の台湾侵攻作戦2.

第二段階
合成集団約14個師団、一個陸戦旅団、一個空挺連隊が、金門・馬祖島に上陸侵攻。

第三段階
台湾海軍の増援部隊を魚雷で阻止する。