ダイエー雑感

遂に、ダイエーが産業再生機構扱いとなり降参した。金を借りているから当然、銀行の言うことを聞かなくてはなるない。今まで5000千億もパーにされた上で、なお且つ4000億円の追加の債権放棄となるのだから、高木さん、矢張り希望通りでは虫が良すぎる。
ここまでに至ったのは、当然主力銀行で、圧倒的な融資をしているUFJホールディングスの責任である。あの沖宗頭取の、たるんだ顔付では、ここまで追い込められた原因者に見える。やはりUFJホールディングスの経営者には問題があり、遂に東京三菱に吸収合併されたのかもしれない。

それはさておき、私にはダイエーについて感懐がある。
それは、私が30才過ぎであった。当時、私は住友銀行神戸支店の取引先課に所属して取引先拡大に注力していた。私は貿易・外人企業を担当しており、神戸市以外の西宮市などにも出向いていた。当時、ダイエー本社は西宮市にあった。スーパーがまだはしりの頃で、銀行から見て、安心できるかという問題もあったが、私は熱心に取引を迫った。経理担当は専務の中内力氏であった。私の熱意に惚れて、わざわざ住友銀行神戸支店幹部を訪ねて、徳永氏の熱意があるが、現段階では取引は待って欲しいということであった。実は、私は本店調査部でスーパー業界の調査と本部の方針を入手していた。本部はまだスーパー業界に関しては半信半疑で融資時期は早過ぎるという判定であった。
その後、どんどん、ダイエーは店舗を全国的に拡大して行く。私はダイエーは、「自転車操業」に近いと思っていた。地価が上昇するから土地を担保に次々と新規融資を受けて行く。専務の中内力氏が兄の中内功氏と離反したが、功氏の強引さと謙虚さの欠ける性格が大きく影響を広げてしまい、遂にここまでに至ったのであろう。私には感慨深いのである。
その後、後発だが、時代と共に融資可能となったのであろう。住友銀行の役員になった某氏がダイエーと取引を開始し名を挙げた。そして現在である。私には大いに多感に思うものがある。
平成16年10月14日 徳永圀典