八観六験に関して

安岡正篤先生の著書の『青年の大成』『経世の書「呂氏春秋」
は比較的読みやすい。
中でも
『青年の大成』など東洋人間学探求に良いと思われる。

『青年の大成』は
若い人たちだけでなく中高年も大いに学ぶべき点が多いと実感した。

これは昭和38年、日光の田母沢会館で開催された全国青年研修大会で4日間に渡り講義されたもので、安岡教学の基礎、基本が実に丁寧に纏められている。
余談だが、この田母沢会館の庭の紫陽花の葉を一枚失敬し我が家に庭に挿し木し現在は二本の親木となっている。

安岡先生が、青年に対してどれだけ大きな期待感を抱いておられたか、よく伝わって来る。
中でも特に
「人間の本質と属性」について書かれた場所は、まさに安岡教学の神髄ともいえる部分である。
「人間たることにおいて、
何が最も大切であるか。
これを無くしたら人間ではなくなる、

というものは何か。
これはやっぱり徳、徳性なのです。
徳性さえあれば、才智・芸能はいらない。
いらないのじゃない。

徳性があれば、それらしき才智・芸能は必ず出来る。

要は
人間の本質は徳性、徳望であり、才能や技能というのはあくまでも付属的なもの、
属性である
と言うことなのです。

現代は本末転倒して付随的なものが溢れ、且つ持て囃されておりますね。

人間に重厚さが欠けているわけです。
薄っぺらな人物が指導者になっておる!
      令和7年12月12日
             徳永圀典   95翁