鳥取の自然--氷ノ山−眷米仙谷コース

眷米から仙谷コースは無駄のない連続して緊張感のあるコースで好きなコースである。親友と人けのない杉の大樹林を過ぎると、徐々に深山幽谷となり厳しい様相となる。谷も深く瓦礫も大きいし巨岩は苔むしている。800米を過ぎると先ず樹齢数百年と思われるブナの大木があり三抱えもする程のものである。それからはもうブナとか栃の大木ばかりである。やがてクサリ場があるが使用しなくても登れるもので左程ではない。下山してきた方に聞くと頂上には誰も居ないという。風が猛烈に厳しい由、今日は氷ノ山は借り切りだと嬉しくなる。人けのない山は静かでいい、ただ熊のいる山なので鈴を鳴らして進む。断崖絶壁もあるがスケールは小さい。やがて稜線らしい処に出るが、実は違っておりここから更に急登、約15分で兵庫県側との出会いの稜線に出る。
甑岩を左巻きしてやがて頂上に出る。風は流石に猛烈で雨はないが、寒くなり雨具を羽織る。お握りやら色々の食料を楽しく、美味しく頂く。下山は、更に山の植物相を楽しみつつゆっくりと下る。紫色の毒草である、トリカブトの花の群生が目立った。海抜1000米くらいで岩の上に腰をおろす、渓谷の美しい水の音を聞きながら仰ぎ見る中空には覆うばかりにブナの樹林が枝を大きくのばしている。冷たいヨーグルトの美味しかった事、未来への様々な夢を語り合い友情を確認した。持つべきは心の友であると互いに真の友情を確かめあった登山であった。
平成15年8月25日