丹生官省符神社 (にうかんしょうふじんじゃ) 和歌山県九度山町

古来、金剛峯寺の荘園であった官省符荘の鎮守として丹生・高野明神を祀り、後に厳島、気比の二神を合わせて四所明神を祀るようになった神社である。19世紀の神仏分離令までは、境内に仏教の堂舎もあり、隣接する慈尊院と一体で信仰を集めてきた。日本独特の宗教形態である神仏習合の実態を示す資産である。 

丹生官省符神社本殿は、慈尊院の南の高台に、金剛峯寺の方角を意識して東西一列に北面して建ち並ぶ三棟の社殿群からなる。丹生・高野明神を祀る第一殿と気比明神を祀る第二殿が1517年、厳島明神を祀る第三殿が1541年に、それぞれ再建されたものである。