烏ガ山ーからすがせん海抜1448米 西日本のマッターホルン 鳥取県江府町

烏が山三山ー矢筈山から
烏が山ー南峰から

この山に登山しなくて、大山の素晴らしさは分からないと断言してよいと思われる。大山東方にある矢筈が山に登山した5月27日、大山南方にこの烏ガ山を展望して驚嘆の叫びをあげたと、矢筈山登山記録に記した。烏が羽根をひろげたように、三角形の切り立った三山が屹立し、裾はまるでカールのようであったからだ。米子地方を襲った巨大地震で、南峰山頂部直下の岩約50メートルが崩落し入山禁止である。あれから、2月目、我々は遂に登頂に成功した。実に直・急登の正面の稜線、崩落現場の怖い、スリルある現場。南峰に立つと、烏ガ山の、絶峰が、寄せ付けないように屹立している。そそり立つ大きな垂直な岩壁、バックには、あの大山の壁のような絶壁がある。烏ガ山の北峰も背後に控えている。北東には、矢筈山が聳えている。大山山麓の樹林帯が、大きくのびのびと広がっている。幾多の鳥の鳴き声がする。これは、まさしくアルプスの風景であつた。このような景観は、滅多にみられない。大山は比較的簡単だが、この山は簡単ではない、経験の在る登山者には、たまらない山と判定する。

行程記録
平成16年7月15日 晴、暑い
鏡ガ成キャンプ場着9:15
発9:25 入山禁止とある。大地震で南峰崩落のため。
登山口発9: 30  杉林 暗い やがてカーラ谷、西には蛇谷あり、マムシが多いと友は言う。背丈の高い笹・ブッシュをかき分けて進む。道はしっかりしているが登山者少なく藪こき。稜線にでたら、少しは風がある。ここから猛烈な直・急登であり且つ藪こきである。きつい。5分間休憩を三回した。水分の補給を盛んに行う、汗が帽子からしたたり落ちる。

南峰直下崩落現場11:00 ここは実に凄い、崩落した岩を慎重に三点固定で登る。左下は崩落しそそり立っている。足場は確りしており慎重なれば先ず大丈夫。未経験者はやめるべき。

南峰 海抜1300米 11:10  ここに立つと、北方に烏ガ山が至近に屹立している。絶壁がそそり立っている。大山が素晴らしい。一瞬不安がよぎる.。友は、何食わぬ顔をしている。私は決断する。ここで軽食と休憩。本峰に行くのに南峰ほ下るが崩落箇所がある。慎重に進む。本峰直下から見上げる山頂、一枚岩もある。垂直を這い上がり登る。途中に紫色のトラノオらしき、きれいな花あり。熱心な友は帰宅して本屋でこれが
「姫トラノオ」であると調べてくれた。本当に頼もしい知的親友である。友によるとトラノオと言っても、イブキトラノオ、オカトラノオ、ヒロハトラノオ、ルリトラノオ、ヤマトラノオ、ホソバヒメトラノオ、クガイソウとあるというから驚いた。


出発11:30一枚岩の垂直な10米を登攀する必要がある。転落死の方もあったと聞く。

烏ガ山主峰11:38 ー12:25いやあ、実に素晴らしい、360度の豪快な景観である。アルプスそのものだ。 我々は最高の気分を満喫した。実に爽快、登山の醍醐味を味わう。山頂にある巨岩の下が、お花畑の庭のようであった。花が咲いていた、持参の保冷庫から冷たいフルーツ・ジュースで人間エンジンの冷却をする。最高の味である。だから登山はやめられない。

ここから再び南峰へ危険な崩落現場を通る。南峰から、東へ下る。ロープが頻繁にあるが、狭く且つブッ シュの中を掻き分けて下る。急な下降の連続である。

1231ピーク13:20 ここまでは、やぶこきの連続。休憩したいが、下山ルートの自信のつくまでしない。
休憩ーブナ樹林地帯13:40から13:50まで、休憩、涼しい。
新小屋峠口14:10
鏡ガ成キャンプ場14:20
登山時間 総計4時間50分 休憩1時間32分 実歩行3時間18分