日本海新聞やまびこ欄掲載 平成15615

驕りの兆しか

片山知事は素晴らしい方だと就任直後から私は喝破していた。本陣山で気軽に話もできるし、先日もはくと号にグリーン車でなく一般車に夫婦で並んでおられた。保守的な鳥取県を見事に現代的に知的にリードしておられる。討論会でも、片山知事には生活者、消費者としての目線が確かに普通の公務員より優れていると確信した。それだけに、今回の発言は残念である。然し私は今回の発言は小疵と見て致命的問題としない。

東芝の会長は会社を代表している利害関係者ではない、有識者の筈である。某大臣の言うように、これでは民間出身者は発言できないし参加を躊躇する。公的関係者だけでは活力も発想も偏向する。

市場経済感覚が必要な時代に民間人を疎外しては進まない。

今回の発言は明白に知事には自覚はないであろうが、
権力は腐敗するの類いが心の中に兆しているのであろう。

あれだけトップとして自由に言われるお方だから県民も遠慮なく発言して切磋琢磨したらいい。

もし片山氏の幕賓が私ならこう言う。

片山君、少し言い過ぎだよ。慎重にやれよ、トップだからな、鳥取産品の不買運動を誘発するよ。

自重されて素晴らしい県政を御願いしたいのであります。
 
平成15年6月15日          (鳥取市)徳永圀典