心に残った和歌 @ 徳永圀典 

平成20年4月15日より 

平成20年4月15日

柿本人麻呂
(あふ)()(うみ) 夕鳥千鳥 ()が鳴けば (こころ)もしのに (いにしへ)思ほゆ」
平成20年4月16日

柿本人麻呂

葦原(あしはら)の (みず)()の国は (かむ)ながら (こと)()げせぬ国 しかれども 言挙ぞわがする(こと)(さち)く まさきくませと つつみなく さきくいまさば (あり)礎波(そなみ) ありても見むと百重波(ももえなみ) 千重波(ちえなみ)にしき 言挙す吾は 言挙す吾は

平成20年4月17日

読み人と知らず
つぎねふ山城(やましろ)()を 他夫(ひとづま)の馬より行くに おの(づま)し (かち)より行けば 見るごとに ねのみし()かゆ そこ()ふに 心し痛し たらちねの 母が形見と わが持てる まそみ鏡に 蜻蛉領巾(あきづひれ)負ひなめもちて (うま)()(わが)() 

馬かはば(いも)歩行(かち)ならむ よしえやし 石は履む()とも()は二人行かむ 

平成20年4月18日

柿本人麻呂

ぬばたまの 夜さり来れば 巻向の 川音(かわと)高しも嵐かも()

平成20年4月19日
柿本人麻呂
往く川の 過ぎにし人の 手折らねば うらぶれ立てり 三輪の檜原は
平成20年4月20日源実朝

(うつつ)とも夢ともしらぬ世にしあれば 有りとて有りとたのむべき身か

平成20年4月20日小野小町 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに 
平成20年4月22日
湯原王

吉野る 夏実(なつみ)の 淀に くなる 山げにして

平成20年4月23日
柿本人麻呂
あしひきの 山川の瀬の ()るなべに 弓月(ゆつき)(たけ)に 雲立ち渡る
平成20年4月24日
行基
ほろほろと鳴く山鳥の声聞けば父かとぞ思う母かとぞ思う
平成20年4月25日
現皇后陛下
白鳥も雁がねもまた旅立ちておほやしまぐに春とはなれり
平成20年4月26日
西行法師

おろかなる心の引くにまかせてもさてさはいかにつひの思ひは

平成20年4月27日
西行法師

身に積る言葉の罪も洗はれて心澄みぬるみかさねのたき

平成20年4月28日城昌幸 ふと仰ぐ八坂の塔や今朝の月  
平成20年4月29日藤原良経

奥山にたぎりて落つる滝つ瀬の玉ちるばかり物な思ひそ 

平成20年4月30日京極為兼―

松を払ふ風は裾野の草に落ちてゆふだつ雲に雨にほふなり