コクドと堤義明の犯罪性

堤義明は、西武鉄道の有価証券報告書に訂正があったことなどの責任を取りコクド会長を含む西武鉄道グループの全役職を辞任し、プロ野球西武ライオンズのオーナーも、日本シリーズ終了後に辞任の予定としている。遅すぎるほど当然である。これは、極めて社会的、悪性な事件で犯罪の匂いがする。

訂正があったと奇麗事を新聞は書くが、罪因は、西武鉄道という大手の上場企業が大株主の保有制限比率を63、68パーセントと操作していたが実質は88.57パーセントであり虚偽であったのだ。(制限は80パーセントである。)しかも2000年3月には91.19パーセントもあった。これを義明が知らぬ筈はあるまい。東京証券取引所の規定によると、3年間虚偽を続ければ上場廃止とされている。今回、西武鉄道の上場廃止をしなくてはなるまい。当然であろう。それだけに留まらない。コクドというブラックボックスが永年に亘り納税をしないできており、このコクドと堤義明の検察による摘発が絶対に必要である。この機会に検察は証券法違反事件として正面から解明すべきである。

私の記憶では、堤義明はグループの企業群の大株主であるコクドのオーナーである。このコクドは納税を一切しない操作を多年続けてきた企業である。財界活動など余り表面に出ないでカリスマ性を高め、兄の元西部デパート社長と違い隠然たる姿勢でドスの利く、胆力のある男として政界にも睨みを効かしていた。
私の感想では、これだけの大手でありながら納税せずに自己利益だけ追求し続けた男という印象である。其の上の今回の犯罪である。堤義明は、悪意はなかつたと弁明しているが許してはならない。かれの父親は女癖の悪質な男で衆議院議長まで勤めたが、忘れがたい卑劣、痛烈な資質の女中事件があった事を想起した。
堤義明は、経営者としてはもとより人間として風上におけぬ人間である事が公然化した。この男はバブル時代は世界トップの富豪と言われた男である。コクドは納税なしで膨大な土地を保有した上の今回の悪質極まりない犯罪である。今回の事件は、指導的立場にある経営者として破廉恥な行為である。

今回の事件で、この男がいかに卑劣であったかと言う事が証明され公開された。このような男は社会は当然、財界の風上にもおけない。これは、大経済犯罪事件であり、大きく報道し一斉に非難攻撃してよい性質の事件である。
平成16年10月14日 徳永圀典


参考
西武鉄道は同日、筆頭株主コクド(埼玉県所沢市)とコクドの子会社プリンスホテル(東京)が、それぞれ保有する西武鉄道株の比率などを訂正し、関東財務局に届けたと発表。有価証券報告書に記載していた2004年3月期の保有比率は、コクドが43.16%から64.83%に、プリンスホテルが0.98%から4.20%に変更された。 両社が個別に管理していた個人名義の西武鉄道株が、業務全般の再点検で実質的に両社の所有だったことが判明したため。西武鉄道は「株式事務を自社で行っており、第三者による十分なチェックがされなかった」と説明している。東京証券取引所はこれを受けて同日、株式事務に不備があり上場廃止基準に該当する恐れがあるとして、西武鉄道株を監理ポストに割り当てると発表した