松峰山金剛輪寺 滋賀県泰荘町

香煙漂う秋色


湖東三山の一つで奈良時代に聖武天皇の勅願により行基が開山した天台宗の寺院。本尊は行基の作。
源義経が義仲追討の武運必勝を願い太刀を寄進したり、北条時宗が佐々木頼綱に命じて元軍降伏の祈願をしたといわれる。
山門から本堂までサツキに囲まれた石段が続き、山岳城郭であったころの趣を今なお残している。石段を上り詰めたところに、当時の層の機智により織田信長の焼き討ちによる焼失の難を逃れた本堂大悲閣、三重塔二天門がある。
本堂大悲閣は、鎌倉時代の和様建築の代表とされる楼門であったが、江戸時代に二階部分が取り壊され現在の形になった。三重塔は大悲閣より古いものであるが、荒廃したままとなっていたため、昭和49年(1974)復元された。
ツツジやシャクナゲの名所としても知られ、山門脇に塔頭の常照庵が草むらに埋もれ残っていて、寺宝にも見るべきものが多い。