リーダーの条件
司馬遼太郎の「明治という国家」を読んだことがある。
その中で、当時の政治家は「透き通った、格調の高い精神で支えられたリアリズム」を持っていたと語っている。
日清・日露戦争までは現実を踏まえたリアリズムが生きており、その上で政策が決定されていたのである。
明治も末期から大正に入ると、愈々目が見えなくなってしまい、現実から足が離れてしまい、虚像の上に判断が行われるようになった。
虚像の上の判断
原因の第一は「幻影」である。耳学問、机上の論、理想論は幻影を生む。
現場知らずの、観念だけで捏ね上げたものは、事実から遠く離れてしまう。
主義、イデオロギーにより構築された政策は、生きた世界を反映せず虚影なのである。
第二は、奢りである。慢心、傲慢である。目標達成と成功が契機で、ふわふわと舞い上がってし
まい、大地から足が離れてしまい現実が見えなくなってしまう。
平成19年10月15日
徳永日本学研究所 代表 徳永圀典