常軌を軌逸した無法国家・中国
―略奪・殺戮を文化とし、
恒を黒と言いくるめるその手口―
その二
中国の気候は典型的な大陸気候だ、冬酷寒、夏炎暑で、雨が少ない乾燥気候である。ユーラシア大陸中央の大砂漠地帯から西風が砂塵を吹きつけ、大地は厚い黄土層に覆われている。
この大地を東流する黄河は、その名の通り「百年河清を待つ」で永遠に「黄色い河」となる。
これが海に至れば「黄海」となり、住む人々の肌色を決定して「黄色の人種」となり、治める支配者を「黄帝」と呼ぶ。支那の平原の民が、いかに風土に規定されるかの証拠をはっきりと見ることができる。
最近の新聞報道によると、北京など中国北部の各都市で、この春は「ここ数年最悪」と言われる「砂塵暴、砂あらし」が猛威を奮っているという。黄砂現象は春の北京の風物詩であるが、今年、平成12年は時期も早く回数も多い。背景には内陸の砂漠化が急速な進んでいるという事情がある。この黄砂は日本の九州まで飛来するので、中国の工業化が進めば当然日本もその酸性雨の影響を受けざるを得ない。日本にとって他人事ではない。
現在、中国の国土に占める森林面積の割合は12%前後で極端に少ない。森林被覆率が極度に低下すると表土の流出、河川への土砂の堆積、黄河や長江への(揚子江)などの河濫と大洪水、黄砂の飛来、イナゴやバッタの大発生など、大災害が次々と発生する。最近の中国では、砂の害のより人々が土地から追い出されて「環境難民」という言葉が生まれているほどだ。
森林の減少は中国の長年の略奪的農業や放牧、牧畜の結果であるが、さらに注目すべきは、古代から中国文明に圧倒的優位をもたらした鉄器生産が森林を喪失させたと言うことである。
一トンのよい鉄を作るためには、何ヘクタールもの森林を喪失させたかとことである。
一トンのよい鉄を作るためには、何ヘクタールもの森林を伐採しなければならない。王朝を維持するためには、戦争に備えねばならぬ。いかによりよい武器をつくるか、それはいかによい鉄を作るかであり、それはそのまま自然破壊に直結しているのである。
中国で毎年どこかで起こっている自然災害も、つきつめてゆくと人工的天災、つまり人災とみてよいのではなかろうか。このような天災らよる飢饉は、広い国土のあちこちに起こっている。
農民は飢饉に見舞われると「飢えて死ぬなら、盗賊に走るにしかず」と考える。そして、賊として働くことは、「祖先から子孫に受け継がれる日々の生活」の一部となってしまった。「匪賊、ひぞく」になる事は悪ではなく、褒められる事であったという。