日本経団連、民主党より自民党の政策を評価--
日本経済新聞ホームページより。平成16年1月29日

 日本経団連は28日、会員企業・団体が政治献金をする際の指針となる政党の政策評価を初めて発表した。自民、民主の2大政党の政策を評価した結果、与党・自民党が、民主党を上回り、日本経団連の奥田碩(ひろし)会長は「自民党が85点、民主党は50点以下」と採点した。

 日本経団連は今後、約1500の会員企業・団体に対し、この評価内容を参考にして政治献金を行うよう促す方針だ。旧経団連がゼネコン汚職などをきっかけに1994年に献金のあっせんをやめて以来、約10年振りに企業・団体献金に対する財界の関与が動き始める。

 政党の政策評価は、税制改革、社会保障改革、規制・行政改革など10の政策分野について、〈1〉日本経団連の考え方と政権公約(マニフェスト)の合致度〈2〉法案や党内の議論など取り組み状況〈3〉法律や予算などの実績――の3点を、最上のAからEまでの5段階で評価するものだ。

 今回は、対象期間が短かったことから「実績」については、すべて見送った。当初は評価対象だった公明党も、党側から政治献金受け入れの意思がないとされたため評価を取りやめた。

 自民党への評価を見ると、合致度はA、Bだけで、取り組みについても、「科学技術」のAと「社会保障改革」のCを除き残り8項目がBという結果になった。

 一方の民主党の合致度は、「教育改革」など5分野のBが最高で、「エネルギー・環境」と「雇用」の2分野はDと特に評価が低かった。取り組みも、「都市・住環境整備」など3分野のBが最高で、残りはCとDという厳しい評価だった。

 日本経団連は、今回の政策評価を基に、企業の純資産額などに基づいた日本経団連の年会費(最低50万円)を目安に、総額約40億円を目標に会員企業などに献金の実施を促す。

 資金面での支援を拡充することで、政治や政策決定に対する経済界の影響力を高めるのが狙いだ。

 日本経団連の奥田会長はこの日の記者会見で、「最終的には企業の自主判断にまかせる。あっせんの復活ではない」と強制しない方針を強調したが、政治献金しているのは会員企業・団体の3分の1の約500、2002年の献金額も計約19億円(推定)にとどまっており、実績をあげるため、日本経団連がどの程度、個々の判断にかかわるか注目される。日本経団連は、年2回程度、政策評価をする考え。