花の大野寺ー奈良県室生寺
この大野寺は、特筆大書してよい素晴らしい、本来のお寺の在り方を実行されている。これこそお寺の真の姿である。なぜなら、あれだけの素晴らしい、実に素晴らしい花の庭園を、慈善事業的に、殆ど無料に近い姿で解放しておられるからである。近年は、どのお寺も観光的に高い入場料を取り、観光坊主となり形式的に金襴緞子の袈裟をかけ、生臭い坊主を隠している、尤もらしい寺や坊主が多いからである。僧侶とは、自ら汗して常に寺の庭の清掃を修行と心得て読経三昧にして過ごすべきだと思うからである。大野寺に心からの敬意を捧げたい。
この寺は川の対岸に魔崖仏のある寺で室生駅の至近にある。

本尊は木造弥勒菩薩立像。地蔵堂には地蔵菩薩立像(国重文)が安置されている。大野寺を有名にしているのは宇陀川をへだてて対岸に立つ 大磨崖仏(大野寺石仏、国史跡)であろう。高さ14mの 石英安山岩に弥勒菩薩像が彫られている。大野寺は花の寺としても有名である。樹齢300年のしだれ桜 (写真上)が2本あり毎年4月10日前後に見事な花を咲かせ る。その他、庭にはさまざまな花がありさしずめ花のトンネル にいるようである。