日本を三度滅ぼした中枢官僚

大変刺激的な言いようであるが私は本当にそう思っている。明治維新当時は発展途上であり欧米諸国に追いつき追い越せで邁進を始めた。先進国の知識吸収は国家にとり大切で秀才の活用が必要であった。高等文官試験-現代の公務員上級試験は国家躍進の為に当然な人材育成措置であった。明治時代はそれで間違いは無かった。大正時代は大正ロマンと言われるように少し成熟し一時期自由な雰囲気もあり普通選挙も実施された。然し、国際共産主義の拡大とアジアに進出する欧米列強に対抗する気概を持っていたのはアジアでは日本だけであった。植民地主義でアジアに進出するする欧米に対抗上軍国化したのは自衛上必然であった。当時は支那も韓国もカラキシ駄目で支那は英国の植民地で収奪されていた。韓国は気位は高く宗主国支那には低姿勢だが日本を見下げる李王朝は日本に耳を傾けず旧態依然とし欧米への対応は無理であった。このように言ったからと言って軍国主義と言うは噴飯ものだ。放置しておれば欧米諸国の植民地と化したし、共産国ソ連の毒牙にかかったのだから。歴史とは現時点での物指しで判断しては誤る。今日、マスコミなどにその傾向があり正確な歴史判断を誤っているものが多い。当時の国際情勢との関連で判断が必要である。昭和に入り軍人中枢官僚が次第に政治力をつけ中国に次第にはまり込んでしまった。これが第一回ここが明治の元勲と違う、明治以後の硬直化した官僚化の所以と思う。第二次世界大戦の収拾過程でミスを惹起したのも官僚的判断だと私は確信する。統帥権問題に端を発して天皇を凌ぐまでに到る軍人官僚。彼等の硬直した思考がそうさせた。明治の野性的な元老であれば現実的に柔軟に対処して敗戦に至らなかったのではないか。敗戦の遠因にそれがある。連戦連勝の第二次世界大戦も官僚的判断で和平のタイミングを誤ったのだ。軍人も官僚なのだ。ここを見誤ってはならぬ。
そして遂に敗戦する。優秀な戦後の人材が大企業中心に猛然と働き牽引車となり経済大国となった。それには大蔵、通産省などの優秀な官僚と国家挙げての体制もある。そこまでは良かった。米国を追い抜いたと思った時、昭和50年代に欧米諸国は打倒日本を企図していた。日本研究は徹底し気がついた時は既に彼らの術策に嵌っていた。挙句の果ては、製造業に非ずマネーの世界でしてやられた。この前後の大蔵官僚の権威主義的硬直的思想が敗因である。私は大蔵は優秀な人材が多く公務員の中では思考の柔軟性を持つ実力を感じてはいた。だがマネー戦争
で完全に日本は負けた。この頃の関係大臣とか日銀総裁、大蔵中枢官僚には国益背任罪的責任がある。敗戦直後は焦土であるが近年のマネー戦争の敗戦は目に見えないマネーの廃墟である。米国の市場経済による大波で根底的に引っくり返された。一方で中国という低人件費攻勢による大バーゲンセールが構造的に恒常化して日本を揺さぶっている。この中国の安売り大バーゲンの恒常化と米国主導の市場経済ルール---金融ビッグバン、企業会計の根本的変更等々で日本は全く見るも無残となりつつある。
これらは根本的に日本を変革させる。アジアとの経済一体化が完成するまで止まらないのではないか。米国の言う全面支援とは、日本人よ安心しなさい、オーバーバンキング、オーバーマニュファクチャリング部門はお安くお買いします、安心して潰しなさいということであるから。製造業で勝利してもマネーの世界でマネーコントロールと情報操作に負けて元も子もなくなった状態が先年のマネーウォーの敗北だ。その駄目押しが到来しつつある。次に特殊法人というお化けである。国家官僚があそこまで、郵貯を食いつぶすまで自己肥大した国家中枢官僚の糞だ。あれは政治家も関係しているかも知れないが総理より多いペイを取ったり一部官僚渡り歩きなど許し難いものだ。警察本部長の管理不行き届きが多発したことがあった。これも上級公務員試験卒業程度のままの人材を終生登用し続けた事に間違いがある。明治以来の人材登用制度を戦後も踏襲した事が根本的に間違いであったのだ。米国の政権担当者はウオール街の生き馬の目を剥くような人材が財務大臣をやる。外務大臣は戦争の元将軍である。通商交渉は弁護士だ。ひ弱な、お金儲けの経験のない、親方日の丸の官僚では太刀打ちできない。これで国民資産は守りぬける道理はない。
凡て明治以来、否、大宝律令時代そのままの感覚の公務員登用制度を踏襲しているから負けたのだ。国家公務員制度を大革命しなくてはならぬ。大使経験者が恩給30万円ではやれないと言ったが発展途上の明治時代と違い国民が成熟し能力の高い今日、その考えは発展途上国のいいである。そのような認識は間違いである。時代錯誤だ。体を張り国益を守りぬかない国家官僚にこれ以上の優遇措置は不要である。官僚とは国家の幹部官僚の事を私は言ってる。多くの方々は真面目なのだ。特に外務省の特権意識を粉砕しなくてはならぬ。