謹賀新年 祈貴家ご萬福 
            
 
拙者儀、 
本年米寿を迎えて候。か細き身でよくよく今日まで生きのびしものと驚きおり候。

この世にて貴台に邂逅し格別のご芳情を賜わりましし事、ご指導を忝くした事、

我が人生の冥加でありしと心より篤く御礼申し上げ候。

命終(みょうじゅう)近き、夢か幻わが生涯、連天の白鳥湮没(いんぼつ)水天(すいてん)一碧(いっぺき)

如く去りたしと常々願い参りおり候。


極々
(ごくごく)
身内別れとし、(しゅ)(とく)院文誉永善圀(いんもんよようぜんこく)(てん)居士(こじ)

して旅立ちましし事は風の便りにお任せ致したく思い候えば、

これにて
今生(こんじょう)のお別れのご挨拶と致し候。

佳き国・日本に生まれしこと
住友で働きし事、かえすがえすも嬉しきことにて御座候。

高台におかれましては、よくよく恙なきようにと祈り申し上げ候。

では、これにて、「さらばでごさる」。 

平成三十年元旦 

                          
徳永岫雲斎圀典

 

山を思えば人恋し、六郎木小屋揮毫、山頂標識寄贈