天皇の原理は日本民族の原点 

天皇一生一度の大嘗祭が、なぜ質素に行われるのか、

質素、質実、剛健こそ、天壌無窮(てんじょうむきゅう)の原理であり、

精神の極度の緊張を呼び覚ますからである。
 

大嘗祭が限りなく崇高の感に打たれるのは、実にこの点にある。 

諸外国の戴冠式に見るような金色燦然たるものとは趣きを異にするのである。

大嘗祭は昔さながらの遺風をそのまま継承しているという。
 

ここに日本民族の民族性である、質実、剛健、勤勉の美風が出てくるのである。 

大嘗祭の意義、精神は実にここにある。 

この神ながらの道は、日本民族の生命であり、天皇は日本国民の中心である。 

この日本民族の原点に立ち帰り、常に新陳代謝、循環還元を繰り返し再生するのが

我が国固有の道であり精神なのである。

      徳永日本学研究所 代表 徳永圀典