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食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、ある特定の食物を食べた後に、アレルギー反応が起きる病気です。乳幼児では5〜10%、学童期では1〜3%の子どもたちが食物アレルギーを持っているといわれていますが、正しい治療を行えば、ほとんどの場合、成長とともに問題なく食べられるようになります。
食物アレルギーはQOL(生活の質)を低下させます
食物アレルギーのある人は、アレルギーを起こす食品を誤って食べてしまうのではないかと緊張しながら生活しなければなりません。また、みんなと同じ食事をとることができません。さらに、外食をしたり、旅行を楽しむことができない人もいます。
家族に食物アレルギーの人がいない人もこの病気についての理解を深めていただき、食物アレルギーを持つ人たちが、安全に生活できるよう、ご協力をお願いいたします。
食物アレルギーは大きく分けると即時型と非即時型の3つのタイプがあります。(1)即時型
即時型では症状の多くが、食物摂取後数分から2時間以内に症状が現れ、全身じんましん、喘息症状などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。
(2)非即時型
非即時型は原因食物の摂取から2時間以上経ってから症状を呈するものをいいます。しかし、この中には摂取後24〜48時間で症状が起こるものも含まれ、このような場合、因果関係を明確にすることが困難なことも少なくありません。
(3)特殊型
特殊型には、食物依存性運動誘発アナフィラキシーおよび口腔アレルギー症候群があります。
今回は重い症状を引き起こす可能性のある即時型のアレルギーを中心に説明します。
即時型食物アレルギーは0歳の乳児に一番多く、加齢とともに減少しますが、学童や成人にも少なくありません。
即時型食物アレルギーの症状は皮膚症状が最も多く、次いで、呼吸器症状、粘膜症状、消化器症状、ショック症状と並びます。
食物アレルギーの症状
皮膚症状では蕁麻疹と皮膚が赤くなる紅斑が多いです。
呼吸器症状では、くしゃみ、鼻水、咳、ぜーぜー、呼吸困難がみられます。
粘膜症状では目の充血や目や口の腫れがみられます。
消化器症状では腹痛、下痢、嘔吐がみられます。
アレルギー反応の重症度には個人差があります
アレルギー反応の特徴は、原因となる食べ物(アレルゲン)をある一定量を超えて摂取すると急激に症状が出現することです。
アレルギー症状を引き起こす最低量(反応閾値)には個人差があります。ごく微量を食べて発症する人もあれば、ある程度の量を食べて発症する人もあります。
食物アレルギーで怖いのはアナフィラキシーが起こることがあるということです。
アナフィラキシーとは即時型のアレルギー症状が皮膚症状にとどまらず、呼吸器や消化器など複数の臓器に強く急激に現れることをいいます。さらに血圧低下や意識障害を伴う症状は「アナフィラキシーショック」といわれ、生命の危険を伴う場合もあります。
即時型食物アレルギーの原因
食物アレルギーの原因は、主に食物に含まれるタンパク質です。アレルギーの原因となるタンパク質は消化されにくく、小腸から一部未消化のまま吸収され、血管を通って全身に運ばれ、さまざまなアレルギー症状を引き起こします。
乳幼児期と学童〜成人期では原因となる食品には違いがみられます
乳幼児では、卵、牛乳、小麦などがアレルゲンになりやすく、学童や成人では甲殻類、果物、そば、小麦、魚類、ピーナッツなどがアレルゲンになりやすいことがわかっています。
食物アレルギーの治療
1)食事療法
アレルギーの原因となる食品はメニューから外す「除去食」療法。
このばあい、正しい原因アレルゲン診断を元に食品除去は必要最小限にとどめ、摂取可能は食品はできるだけ多くの種類を摂取させることが大切です。
今はアレルギーを起こす食品でも、成長とともに食べられるようになる(耐性獲得)ことが多いので、耐性獲得を目指し、症状を起こさせずに「食べる」ことが重要です。
2)薬物療法
あらかじめアレルギー反応を抑えるための薬を飲む方法もあります。
また、症状が出現した場合には、その症状に応じて薬を使用します。重い症状を起こした人にはアドレナリンの注射薬を使用することがあります。
誤って食べてしまったとき
日常の生活の中ではきょうだいや、友だちの食べているものを食べてしまうなどの誤食が起こることがあります。その場合の対処について述べます。
1)アレルゲンを含む食品を口に入れたとき
→口から出し、口をすすがせます
2)皮膚につけたとき
→触った手で目をこすらせないようにさせ、洗い流します
3)目に入ったとき
→洗眼後ステロイド薬を点眼します
4)皮膚の一部に発赤、じんましんが出てきたとき
→30分以内に症状の改善傾向が見られるときはそのまま様子を見ることができます
しかし・・・
5)症状が悪化するとき
6)皮膚の発赤、じんましんが全身に拡大傾向のとき
→急いで医療機関受診
7)咳、声が出にくくなる、ゼーゼーいう、呼吸が苦しい、ぐったりする、意識レベルが低下、吐く、腹痛など
→一刻を争う状態です。医療機関受診 救急車の要請も必要です!!!
食物アレルギーの原因食品の特定は慎重に
食物アレルギーのアレルゲン(原因食品)を見極めるのは専門医でも難しいことがあります。特定の食品が血液検査で陽性でも、食べても症状が出ないことがあります。疑わしい食品を全て除去していると栄養失調になることがあります。「除去食」は決して自己判断で行わず、医師と相談しながら取り組んでください。
家庭での食事で気をつけること
1)母乳は赤ちゃんに最も適した栄養です。母乳が出る間は母乳で育ててください。お母さんは偏った食べ物ばかりを食べないでいろいろな食品を食べてください。
2)牛乳アレルギーの赤ちゃんにはアレルギー用のミルクがありますので医師と相談しながら使いましょう。
3)離乳食は予定通りに始めましょう
タンパク質を与えることを恐れて、離乳食を遅らせたがるお母さんがいます。離乳時期を遅らせることは、赤ちゃんの栄養バランスに影響があります。アレルギーの原因となっている食物を上手に避けながら、離乳食をしっかり進めていきましょう。
3)普通食のばあいの注意事項
(1)食品を買うとき原材料表示をチェックしましょう。
アレルギーを起こしやすい食品については、法律により表示が義務づけられています。
(2)栄養を考えてバランスよく食べましょう。
(3)除去している物に替わる物を見つけ、栄養を落とさないようにしましょう。
学校や保育園での生活で気をつけること
学校や保育園でもアレルギーを起こす食品を食べてしまわないよう細心の注意が必要です。そのためには
1)食物アレルギーの指導表を主治医の先生にかいてもらいましょう。「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」の発行により、アレルギー疾患を持つ子どもが安全・安心に学校生活を送れるよう、学校生活管理指導表を用いた取り組みが始まりました。必要な人は学校か主治医に相談してください。
2)給食で除去食対応できないときはお弁当を持たせましょう。
3)症状が出たときの対策を話し合っておきましょう。
4)薬を持たせるときは使用方法を先生に伝えておきましょう。
5)友だちにも理解してもらえるようにクラスなどで話し合いの場を持ってもらいましょう。
まとめ
1)アレルギーを起こす食品は何かをきっちり診断し、きっちり除去する。
2)誤食事故を起こさないため、園や学校と医療の連携が大切である。
3)関係者が食物アレルギーについての知識を持つことにより事故を防止し、万一アレルギー反応が起こった場合にも、正しい対処ができるようにしておくことが大切。
4)食物の除去は必要最小限とし、食べられるものは食べさせて、栄養を落とさないようにする。
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