兄さんの手作りカレー
キッチンへ通されると、は驚いて突っ立った。木目調の家具で統一されたシステムキッチンは、ピカピカに磨き上げられている。棚を開けてみると、調理器具は綺麗に並べられていた。
「すごく綺麗!真島さん、本当に料理できるんだぁ」
は、目を丸くさせながら、キッチンを見渡した。
「当たり前や。何年独り暮らししとると思うとるねん。せやから、今日一緒にカレーの材料買うてきたんやろ?」
真島はスーパーの袋からじゃがいもを取り出しながら、に渡す。
「そや、今日はカレーぎょうさん作って、西田と南にも食わせたろ」
真島は携帯を取り出すと、素早く二人に連絡した。
が時計を見ると、三時間経っていた。キッチンにカレーの食欲をそそる香りが広がっている。
インターホンが鳴った。画面を見ると西田と南が映っている。早速二人を招き入れ、ダイニングへ通した。真島は西田と南の真向かいの椅子に座った。
「よう来たなぁ、お前ら。今日は俺の手作りカレーや!しっかり味おうて食うんやで」
「ありがとうございます、親父!」
「肉がごろごろあって、メッチャ旨そうやないですか〜」
南は目を輝かせてカレーを眺めた。
西田と南は同時にカレーを一口食べた。
(……マズい……)
二人のスプーンを持つ手は止まった。
「なんや、お前ら。旨すぎて言葉が出んのやろ?」
「そ、そうッスね。むちゃくちゃ旨いッス」
「ほな、お代わりやな!」
西田は涙目になりながら、スプーンを口に運んだ。
引きつった笑みを浮かべる南は、
「親父、こないに旨いカレー、どないして作らはったんですか?」
「教えとうても、教えられへんのや。ちゃんと俺の秘密や」
「はぁ……」
南は、冷や汗をかきながら、水でカレーを流し込んだ。
二人の様子を見ていた真島も、ようやくスプーンを持った。
「ほな、俺も食うか」
西田と南の視線が興味深そうに真島へと向けられる。
「最高や!やっぱり俺のカレーは旨いのぅ〜。ちゃんも旨いやろ?」
「うん!すっごく美味しい!お代わり!」
(……嘘だろ……)
西田と南は、顔を見合わせた。
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