真島さんに何と呼ばれたいですか?
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*何も記入しない場合、青山美香になります。



映画館でキス?

「よし!」
大きな姿見に映る黄色のワンピースを着た自分をチェックした私は、劇場前広場の映画館へ急いだ。
劇場前広場に近づくにつれて、一際目立つ真島さんが、私に手を上げて歩いてきた。

「おう、ちゃん、春らしゅうて可愛いやないか」
真島さんがいきなり距離を縮め、私の身体をぎゅっと抱きしめた。頬に軽く唇が触れる。わざとらしく音を立てて。
「こ、こんな人前で、止めて下さい!」
反射的に真島さんの胸を押し返したけど、火のように顔がどんどん赤くなるのが分かった。

「せや、今日はラブコメ観るんやろ?おもろいやろか?」
ゾンビといったホラー映画が好きな真島さんの顔が一気に曇る。
「絶対面白いって!楽しみだなぁ」
私は、期待に胸を膨らませながら、真島さんの腕に自分の腕を絡めた。
館内へ入ると、人気の映画らしく混み合っていた。
何度も人とすれ違いながら、私たちはやっと席に座ることができた。

上映開始のブザーが鳴って、映画が始まった。
スクリーンの中では、主人公の男性はヒロインと出会い恋に落ちた。
私は横目で真島さんをチラリと見た。スクリーンをじっと見ているようだ。

ふいに、革手袋をはめた真島さんの手が私の手に重ねられた。
目を見開いて真島さんの顔に視線を移す。ニヤリと笑っている真島さんは、自分の手を私の指に絡めてくる。
しばらくして、真島さんの足が私の足に絡み始めた。皮パンツのひんやりした感触が私の素足に伝わってくる。
どんどん速くなる脈を感じながら、私の身体はかぁと熱くなっていく。
(どうしよう……わ、私、映画に集中できない……)

真島さんに弄ばれているうちに二時間は、あっという間に過ぎた。スクリーンには、エンドロールが流れている。
「真島さんのせいで、映画がちゃんと観れなかったよ」
私は唇をとがらせて横をふいっと向いた。
「そないな顔をするちゃんには、お仕置きやなぁ?」
後頭部に回った手に引き寄せられ、吐息が触れ合う近さでささやかれた。
唇が重なる。
私は人目を気にする余裕がなく、真島さんのキスで唇がとろけていく気がした――。

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